「危機は資産増やす好機」投資始めるなら“投信”一択 たぱぞう×おけいどんFIRE対談(2)

SankeiBiz

老後に2000万円の資金が必要とする金融庁金融審議会の報告書をめぐる騒動をきっかけに資産形成への関心が高まり、若年層を中心に長期投資型の少額投資非課税制度「つみたてNISA(ニーサ)」や個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」を通じて投資信託に積み立て投資をする人が増えている。一方、ウクライナへ侵攻したロシアへの経済制裁によってエネルギー価格などの上昇が加速。インフレや景気悪化も懸念される。こうした状況で投資することにリスクはないのだろうか。全5回の対談で2回目となる今回は、FIREを実現した2人に、投資の第一歩について語ってもらった。

たぱぞう×おけいどんFIRE対談(1)1日500円の節約で「老後2000万円問題は解決する」


オンラインで国会演説を行うウクライナのゼレンスキー大統領。ウクライナへ侵攻したロシアへの経済制裁によってインフレや景気悪化も懸念されている=23日午後、国会内(矢島康弘撮影)
オンラインで国会演説を行うウクライナのゼレンスキー大統領。ウクライナへ侵攻したロシアへの経済制裁によってインフレや景気悪化も懸念されている=23日午後、国会内(矢島康弘撮影)

軟調な相場だからこそ安く買える

桶井さん

投資というのは、やろうと思った時にやらないといけません。投資の第一歩を踏み出すタイミングは、投資をやろうと思った今、ということになります。投資を始めるのに100%良いというタイミングはありません。

政治リスクが一切なく、地政学リスクもなく、為替レートもよくて、イレギュラーなことも全く起きないということはなく、必ずそういうことが起きます。今はコロナ禍、そしてウクライナ問題が起きていますが、タイミングを見計らって5年、10年と待って投資を始めるというのはいけません。その間に機会損失が生まれるからです。

これから資産形成を始めようと思っている人は投資信託一択でいいと思います。特に「つみたてNISA」などで積立投資をするのであれば、軟調な相場でも投資を始めた方がいいです。

むしろ、軟調な相場だからこそ安く買えるメリットがあります。同じ株(投資信託)を買うなら安い方がいいですよね。日本株は難しい面もありますが、米国株であれば、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均の長期チャートを見てみると、時には調整局面もあるものの、ずっと右肩上がりで成長してきた歴史があります。投資をやりたいという思いがあるのであれば、いつ始めてもいいのです。

たぱぞうさん

まったくその通りですね。安くなってきたタイミングが買い時だと思います。むしろ今年に入って株価の調整が入るまで、高騰していた直近2年間がおかしかったくらいです。ほんとに高かったと思います。

私は投資顧問のアドバイザーをしていて、投資顧問先からもよく聞かれたんですが、グロース(成長)株なんかは適正な水準の2倍、3倍の値が付いているような状況でした。

なんでこんなに高かったのかと言えば、それは金融緩和が原因です。しかし、最近はようやくそれがしぼんできて、だいぶ適正な価格まで落ちてきているので、指数に連動した投資信託のような商品にしても、個別株にしても、まさに今こそ投資を始めるべきですね。

もちろん、ポリティカルな要因と地政学的なリスクはありますので、しばらくはしんどいかもしれませんが、長い目で見れば、今は積立投資を始めるにはいい時期だと思いますね。

桶井さん

私が若い頃は個別株を買うしかありませんでした。ところが今は、安い信託報酬(手数料)でいろんな投資信託を買える時代になりました。あえて個別株を買わなくても、投資信託なら複数の銘柄に分散されていますから、いちいち個別銘柄の分析をしなくて済みます。毎月定額の積み立てを続けることで、いちいち購入のタイミングを見なくてもいいのです。企業の決算書を見る必要もありません。

老後を迎え、お金が必要になるという時までは、投資信託一択といえます。何も考えず、機械的に積み立てていき、暴落時にはさらに積み増しするくらいの気持ちでいるのがいいのではないでしょうか。

どうしても投資家というのは、変化を避けて現状維持を望む「現状維持バイアス」が働きますが、それをいかに打破するかが重要だと思います。

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