手取り額は計算すればわかる? 転職活動中に確認しておきたい給与額の計算方法

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はじめに

別の会社や仕事へ転職を考えている、もしくはすでに転職活動を始めているとき、求人内容の「給与額」が気になる方も多いのではないでしょうか。一方で、給与には「額面(総支給)」と「手取り」のふたつの見方があるのはご存知ですか?

そこで今回は、給与の「額面」と「手取り」の違い、自身の手元に入る給与金額の計算方法について解説します。

そもそも「手取り」とは?

※画像はイメージです(Getty Images)
※画像はイメージです(Getty Images)

最初に、受け取れる金額を知るにはかかせない、「手取り」という言葉の意味についておさらいしておきましょう。手取りは、「毎月、もしくは年の給与の中で、実際に自分が受け取れる金額」を指すものです。

たとえば、会社で働いて受け取れる一カ月分の給与が「30万円」だったとしましょう。しかし、実際に振り込みや手渡しなどで自分の手にわたるのは満額ではなく、この30万円から税金や保険料といったさまざまな項目が引かれます。

これらの項目が天引きされることは「控除」と呼ばれており、控除によって満額の30万円から差し引かれ残った分が、自身が受け取れる「手取り」とされているのです。

額面とは? 手取りとの違いも

給与について調べていると、「手取り」の他に「額面」、もしくは「総支給」という言葉を目にした方も多いのではないでしょうか。このふたつはほぼ同じ意味であり、額面(総支給)とは、控除され手取りになる前の給与の全額を指します。

そのため、手取りとの違いは「控除される前か、それとも後の額か」という点であると言えるでしょう。ここでは、この「額面」についてより詳細に解説していきます。

▼額面に含まれる手当について

額面の給与の中には、毎月一定の額である「基本給」と合わせて、残業や通勤にかかる費用、住宅、役職など、毎月変動する「手当」が含まれています。額面の給与は、「基本給」+「各種手当」によって成り立っていることがほとんどと言えるでしょう。

たとえば、一カ月において残業をした分は「時間外手当」として支給され、出張などがあれば別途「出張手当」がつく場合があります。その他にも、業務で必要な資格を所持している社員に対して「資格手当」、業務の負担が他の社員より重い役職に就く社員には「役職手当」がつくことも。

このように、「手当」と名の付く給与の内容は幅広く、そして会社によってもその内容や数は大きく異なります。

▼額面から差し引かれる税金・保険料について

先ほど手取りについて説明した通り、会社から受け取る給与は、手元に来る前にさまざまな「控除」が行われます。ここで控除として差し引かれるのは、所得税や住民税、雇用保険や介護保険、厚生年金の保険料、そして健康保険料などです。

それぞれの項目は額面の金額によって変動するため、全員が同じ額だけ引かれるとは限りません。所得税や住民税は前年や1年あたりの収入をもとに計算される他、各種保険料も月収を元にした「標準報酬月額」を基準としてその控除額が決定されています。この他にも、会社ごとの労働組合の組合費、退職金の積立金が控除に含まれている場合も。

月収・年収から手取りを正確に計算する方法

※画像はイメージです(Getty Images)

額面(総支給)から正確な手取り額を調べるには、先ほども説明した額面から差し引かれる「控除」が重要になります。手取り金額は、額面の金額から全ての控除額をマイナスすれば算出できるためです。

たとえば、控除として差し引かれる項目の中でも、代表的なものは以下の項目です。それぞれの保険料や税金は所得や定められた標準報酬月額、税率などを調べることで、詳細な金額を割り出せます。

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 介護保険料 ※40歳から64歳までが対象

以上の保険料は、総称して「社会保険」と呼称します。この社会保険料の算出にくわえて、前年の所得から税額が定められる「住民税」、社会保険や各種控除などを引いた課税所得に応じて決定される「所得税」を割り出せれば、全ての控除額がわかるのです。

この控除額の合計を額面から引くことで、正確な手取り額の推測が可能になるのです。社会保険料はもちろん、所得税なども含めて計算できるシミュレーション計算ツールなどを活用すると、より正確な金額を調べられるでしょう。

月収・年収から手取りを簡単に計算する方法

「計算についてはわかったけど、控除項目が細かすぎて実際に調べるのは大変」、「おおまかな金額がわかればそれでいい」という場合は、もっと簡単に具体的な額を知る方法も。

実は、手取りの額は税金や扶養の有無などにより変動しますが、およそ全額の「75~80%」であると言われているのです。そのため、総支給に0.75、もしくは0.8をかけることで、大まかな手取りを知ることが可能です。

たとえば、総支給額が30万円の場合、計算は以下のようになります。

総支給額が30万円の場合の手取り額


300,000円×0.75(0.8)=225,000円(240,000円)

つまり、額面30万円の給与の場合、実際に手元に入ってくる額は「22万5,000円~24万円」であると推測できます。そして、年収も同じく記載されている額面に0.75か0.8をかける、あるいは「割り出した月収×12」を行うことで年収が予測できるでしょう。

なお、これはあくまで目安の値です。たとえば、給与が50万円を超えると所得税率が変わり、75%を下回ってしまう場合があるため注意しましょう。

ボーナスの手取りを計算する方法

ボーナス(賞与)についても、年収・月収と同じく計算により手取り額が推測できます。ボーナスから控除されるのは、給与と同じように所得税、健康保険料、厚生年金保険料や雇用保険料、介護保険料です。ただし、住民税についてはボーナスから徴収されることはないため、控除には含まれません。

額面から手取りを出すときと同じくこれらの控除額を算出後、総支給から差し引くことで正確な値を出せます。ただ、注意したいのはボーナスの手取りを計算する際に差し引く「所得税」です。所得税は前年1年間の所得に税率をかけて計算したものとなります。

そのため、転職前に気になる企業の情報からボーナスの手取り額を調べるのは、実際に給与を受け取っておらず、実際の所得税額が不明瞭のため少し難しいかもしれません。よって、計算が難しい、もしくはざっくりとした手取りがわかればいいという場合、給与と同じく「0.75~0.8」を額面にかけて計算するとよいでしょう。

転職時に手取りで失敗しないための注意点

転職活動において求人内容を見るとき、仕事内容はもちろん給与や賞与の額を重視する方も少なくないでしょう。どんなに仕事内容が魅力的でも、安定した生活ができるだけの給与が欲しいと考えるのは当然です。そのため、転職活動においては「額面」と「手取り」の概念をしっかり頭に入れておく必要があると言えます。

たとえば、求人内容に書かれている給与額は「額面」であることが多いため、記載されている額を満額受け取れると勘違いしないように注意すべきです。また、面接時においては、前職での給与額や希望する給与額について尋ねられる場面もあるでしょう。

その際、原則として「額面」で伝えるようにしてください。もし手取り額を伝えてしまった場合、入社してからの給与が少なく不満を抱くことになりかねません。そのため、転職活動においてはきちんと額面と手取りの違いについて認識しておくべきです。

まとめ

今回は、「額面(総支給)」と「手取り」のそれぞれの意味、月収や年収、ボーナスの手取りを計算で割り出す方法について紹介しました。求人内容などで見かける給与が高い金額の場合、一見魅力的に感じてしまうものですが、その金額は額面(総支給)である場合も。

そのため、転職後「貰える給与が思ったより少ない」と後悔してしまわないためにも、給与にまつわるあらゆる言葉の意味や、その計算方法を頭に入れておくとよいでしょう。


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