主張

高齢者に5000円案 年金口実にばらまくのか

産経ニュース

耳を疑う案である。

自民、公明両党が政府に早期実現を要望した臨時特別給付金のことだ。年金暮らしの高齢者らへの1人当たり5千円の支給が検討されている。

なぜ今、高齢者に5千円給付が必要なのかという理屈が全く理解できない。むしろ、今夏の参院選に向けて有権者の歓心を買うための、露骨なばらまきと受け止めた方が腑(ふ)に落ちる。

岸田文雄首相は国会で「物価をはじめ、さまざまな状況をしっかり見た上で検討したい」と答弁した。政府・与党がこの案を岸田政権の重視する分配戦略だと捉えるならば、心得違いも甚だしい。

政府が検討するまでもない。与党は要望を撤回すべきである。

自公両党の幹事長らが15日、岸田首相に要望書を提出した。公的年金の額が4月分から0・4%引き下げられるため、これを「十分に穴埋めできる水準」の給付金を支給するよう求めた。5千円を配る案の根拠である。

だがこれは、年金額を決めるルールをないがしろにする悪手だ。年金額は毎年、現役世代の賃金動向や物価、平均余命の伸びなどを勘案して改定される。

年金制度は、現役世代の「仕送り」で成り立つ仕組みなので、その負担能力に応じた給付に改定するのは理に適(かな)う。0・4%の引き下げもこのルールで決まった。

しかもこれは、将来世代の年金水準を確保するため、令和3年度に始まったばかりのルールだ。そこからわずか2年目で形骸化させるのでは先が思いやられる。

さらに分かりにくいのは、この給付案が低所得者対策ですらないことだ。給付対象として想定されているのは、新型コロナウイルス禍に伴う低所得者対策の10万円給付を受けなかった人だ。

こんな給付が本当に妥当なのか疑問だ。予算額は1千億円規模との見方があるが、それだけの巨費を投じる意味が感じられない。

本来ならば、年金や医療などの社会保障費の増加に正面から向き合い、負担増や給付減といった痛みを全ての世代で分かち合うための改革に腰を据えて取り組むのが与党の責務である。

何よりも問題なのは、5千円給付案を臆面もなく打ち出す与党の姿から、その覚悟が微塵(みじん)も見受けられないことだ。参院選に向けて与党が訴えるべきことをはき違えてはいけない。

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