戦略練り直しの好機にも 日露平和条約交渉中断

産経ニュース
北海道・根室半島の納沙布岬(下)沖の北方領土。大小の島々で構成される歯舞群島(中央)、色丹島(上)
北海道・根室半島の納沙布岬(下)沖の北方領土。大小の島々で構成される歯舞群島(中央)、色丹島(上)

ロシアは、北方領土問題を本質とする日露平和条約交渉の中断を宣言することで、ウクライナ侵攻をめぐり対露制裁を発動した日本を揺さぶり、日米欧を中心とする民主主義陣営の結束を乱す思惑だとみられる。ただ、交渉は以前からプーチン露政権の高圧姿勢によって袋小路に陥り、打開の見通しはなかった。交渉の中断は日本にとって、「ポスト・プーチン」を見据えた対露戦略を練り直す機会にもなり得る。

露外務省は交渉中断を宣言した21日の声明で、「全ての責任は相互発展ではなく、反露路線を選択した日本側にある」と主張。米欧と協調した対露政策を見直すよう日本に圧力をかけた形で、平和条約締結の先行きは不透明となった。

ただ、そもそもロシアに北方領土の返還につながる平和条約を締結する意欲があったか疑わしい。事実、ロシアは近年、領土問題を棚上げした善隣友好条約型の条約を結ぶべきだと主張し、北方領土の実効支配も一貫して強化してきた。

今回の宣言について複数の露専門家は「交渉は既に友好を演出するための〝シンボル〟化していた。(ウクライナ侵攻で)露政府にはそうした演出の必要がなくなった」と分析。交渉を日本の資本や技術を得る手段としてきたロシアは今後、中国や韓国など第三国と協力し、北方領土開発を進めるとの見方が強い。

とはいえ、日本はロシアの圧力に動揺する必要はない。今回のウクライナ侵攻は、第二次大戦末期、有効だった日ソ中立条約を破って北方領土を不法占拠した旧ソ連と同様、法よりも力を信奉するロシアの国家的体質を改めて浮き彫りにした。こうした国家と平和条約を締結したところで、履行される保証もない。

どのような形で侵攻が終結しようと、対露制裁は継続され、長期的にロシアの国力低下は避けられない。プーチン体制がどれだけ続くかも未知数だ。

条約交渉の中断により、日本は行き詰まった従来の対露政策を改め、ロシアから交渉再開を切り出させるような戦略を練る時間的猶予を得られたともいえる。

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