(オープン戦、阪神4-2オリックス、19日、京セラ)試合後。京セラドーム記者席のトラ番・織原祥平に電話したら、スマホ越しにカーン! コーン! カーン! と音がする。
「先ほどまで戦っていたグラウンドで特打が始まりました。今は大山さんが打っていますねぇ。ロハスもいます。あっ、中野も参加しています」
好調な選手たちが落ち着いて、冷静に、開幕への調整を続けるのは、失礼ながら面白くはない。天邪鬼なもんで。
一方、調子を上げたい選手が、〝突貫工事〟にように懸命に打ち込んだりする。何十年もプロ野球の開幕を見ていると、この懸命な姿が意外に好きになってくるのだ。ゲームセットから間もない時間帯に練習する姿に、「早く立派な記者になりたい」と思い続けた、劣等生記者だった自分がダブる。今も立派じゃないけれど。
大山よ、ロハスよ、必死の努力が実りますように。
中野は故障明けでスイング量を増やす意味合いが強いのだろう。特に不振とは思えない。でも、中野も調子を上げて開幕を迎えてほしい。
「努力が実るといえばですねぇ…」
織原が付け足し報告をしてきた。
「朝、無人の京セラドームに真っ先に飛び出してきたのが熊谷クンだったんです。一番乗りが偉いのか、という話ですが、そうやって気持ちを行動に出す選手を応援したいんです、僕は」
同い年のタテジマ戦士に「ガンバレ」と熱視線を送ったら、目と目が合った(?)ような気分になったらしい。
そして、その熊谷が「2番・二塁」でスタメン出場し、2安打2打点の活躍。この日は坂本、山本らがチャンスメークの安打や、つなぎの四球で貢献し、坂本は送りバントも成功。梅野や島田がチャンスで送れず、失敗がクローズアップされてしまった18日の試合の反省を生かした感じだ。