トヨタ自動車グループの特殊鋼メーカー「愛知製鋼」の技術情報を漏らしたとして、不正競争防止法違反(営業秘密開示)の罪に問われた同社元専務、本蔵義信被告(71)ら2人に、名古屋地裁は18日、無罪判決を言い渡した。本蔵被告への求刑は懲役3年、罰金200万円だった。
板津正道裁判長は判決理由で「情報は抽象化、一般化されすぎていて、ありふれた方法を選択して単に組み合わせたものにとどまる。営業秘密を開示したとはいえない」と述べた。
2人は同社に在籍していた平成25年4月、岐阜県各務原市の同社工場で、同社の独自技術をホワイトボードに示すなどし大阪市の企業に伝えたとして起訴された。29年6月に開かれた初公判で無罪を主張。弁護側は「機械メーカーなら当然持っている技術だ」とし、営業秘密には当たらないと訴えていた。