米議会下院は17日、ウクライナに侵攻したロシアと、それに協力したベラルーシへの関税優遇措置の撤回権限を、バイデン米大統領に対して与える法案を可決した。採決は賛成424、反対8。経済圧力を強めることに超党派からの圧倒的な支持が集まった。
上院でも近く可決し、バイデン氏が署名して成立する。バイデン氏は11日、世界貿易機関(WTO)の規定に基づいて関税を低く抑える「最恵国待遇」の撤回を表明し、議会に実施のための法整備を求めていた。
法案では米大統領に対し、ロシアとベラルーシの産品への関税を引き上げる権限を2024年1月1日まで認める。
これまで平均3%程度に抑えていた税率を、北朝鮮やキューバと同様に平均30%超へ上げる。ウクライナへの侵攻停止といった特定の条件を満たした場合は、米大統領が両国への関税優遇を復活させることもできる。
米通商代表部(USTR)に対し、国際社会での米国の発言力を生かし、ロシアのWTO加盟停止を働き掛けることも要請している。(共同)