国連安全保障理事会は17日、ロシアによる侵攻を受けるウクライナ情勢を巡る緊急会合を開いた。市民の避難先となっていた同国南東部マリウポリの劇場への空爆など民間人への攻撃激化を受け、各国からはロシア非難が相次いだ。ロシアのネベンジャ国連大使は会合で「劇場を攻撃対象としたことはない」と空爆を否定した。
ネベンジャ氏は、米国がウクライナで生物兵器開発を支援していると主張し、18日に再度の安保理会合を要請した。安保理に提出した人道支援に関する独自の決議案については、18日に予定していた採決を延期する方針を示した。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、空爆された劇場の外には「子供たち」とロシア語で大きく書かれていたことに触れながら「ロシアは残虐行為について責任を負うことになる」と強調した。
ウクライナのキスリツァ国連大使も、ロシアの侵攻による子供の死者がこれまでに計108人になったと述べ「子供たちが故意に標的にされている」と批判した。
中国の張軍国連大使は「民間人の犠牲や難民の増加が伝えられていることに悲しみを覚える」と述べた上で、全ての当事者に対し「最大限の自制」を求めた。(共同)