宮城、福島両県で16日夜に最大震度6強を観測した地震で、埼玉県は17日、県内で高齢者6人が転倒して軽傷を負ったほか、約29万7千戸が停電し、2件の火災が発生したとの集計を明らかにした。
埼玉県内では、さいたま市や熊谷市、川口市など37市町で震度4を観測した。
県によると、軽傷者はさいたま市の70~80代の男女5人と新座市の70代男性で、それぞれ頭や顔を打つなどした。停電はさいたま市、熊谷市、秩父市、上尾市、越谷市など広範囲で起き、17日午前2時ごろまでに復旧した。
火災は、さいたま市岩槻区の廃棄物処理工場と草加市のスーパー屋上で発生した。それぞれ古いバッテリーと配電盤から煙が出たが、けが人は確認されていない。消防が地震との関連を調べている。
一方、脱線が起きて運休や遅れが生じた東北新幹線が乗り入れる大宮駅(さいたま市大宮区)では、利用客が不安そうな表情で電光掲示板の運行情報に見入っていた。仕事のために小山駅(栃木県小山市)へ向かう途中の男性会社員(43)は「乗れると分かって一安心だが、脱線したと聞いたときは、きょうは何もできないかと思った」と話していた。(中村智隆、深津響)