夜中の地震の怖さを改めて思い知らされた一夜だった。2度も大きな揺れに見舞われた現地では、不安で眠れなかった人も多かっただろう。テレビに流れる断片的なニュースでは、停電で街灯や信号機が消え、ノロノロ運転で進む車が映し出される。首都圏ではまたも帰宅困難者が大勢出ていた
▶つい先週、東日本大震災から11年を迎え、防災への思いを新たにしたばかりだ。福島や宮城では昨年2月にも震度6強の地震が発生していた。災害は時間も場所も容赦がない。関西でも南海トラフ巨大地震が迫る。備えは大丈夫かと思わず備蓄を見直したが、常に十分ということはないものである
▶いつ起きても対応できるようにと身構えてきたが、たとえば夜中だったら朝方だったら、電車に乗っていたら、休日だったら。心のシミュレーションも大切なのだ。昨夜、早々と帰宅を諦め会社に戻ったという人の話を聞いた。モノも心も、双方の備えを万全に。