「残念!」というショックにも似た気持ちから切り替えた後、退職する部下に抱くのはもはや母親のような気持ちですね。会社として、私個人として、何か糧となるものを与えることができただろうかと振り返ったり、今後の人生の幸せを願ったりするわけです。
「辞め方」ににじみ出る人柄
最後に、もう一つ思うことがあります。一言で「退職」と言っても、いい辞め方もあれば、“よろしくない”辞め方もあると思います。私は、「退職」というイベントにもその人の本当の人柄が出ると思っています。
社会人として、お世話になった会社や上司や部下に対して、責任を果たし、真摯な姿勢で退職をする人は、転職先でもきっとあたたかく迎え入れられることでしょう。一方で、不義理な辞め方をしてしまった人、特にそれを繰り返す人にはそれ相応の対応が自分に返ってくると思います。
「自分がされて嫌なことは、人にしない」
「自分が人にしたことは、いつか自分に返ってくる」
私はこの言葉を大切にしています。「退職」や「転職」をステップアップにつなげる真の方法は、「立つ鳥跡を濁さず」だけでなく、「立つ鳥跡に花を咲かす」くらいのマインドセットを持つことかもしれません。
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。アーカイブはこちら