熊木徹夫の人生相談

寡黙すぎる娘 将来がとても心配

産経ニュース
イラスト・千葉真
イラスト・千葉真

相談

30代、高校1年の長女と中学2年の次女を持つシングルマザーです。次女は、もともと内気な性格なのが年々輪をかけていて、他人には自分から話しかけることができず、質問されても答えるまですごく時間がかかってしまったり、時には黙ったまま答えられなかったりします。

私や長女とは普通に話しているので、今まで病院を受診しませんでしたが、このままだと社会に出たときに支障が出るのではと心配しています。

来年は高校受験。全日制高校を受験できるのだろうか、この先お仕事ができるのだろうか、など先のことを考えて不安になってしまいます。

娘は病院を受診したほうがいいのでしょうか。その場合は何科がよいのか。娘に何をしてあげればよいか、アドバイスをお願いします。

回答

まず、病院への受診の必要性について。何科に行くべきかといえば、おそらく精神科でしょう。明白な身体の異常がある場合、いわゆる身体科(精神科以外の科)に行くべきですが、検査でウラが取れない身体の変調および心の問題では、精神科が窓口となります。

ただ精神科医の本当の役割は、依頼者が切実に困っていることに寄り添い、当の本人が自ら立ち上がり歩き出すことを側方からお手伝いすることです。そのため、依頼者の困り具合がひどく専門家に助けを希求しているという前提がなければ、そもそも精神科に向かう必要がない。

次女は内向的・内省的な人で、返答に時間を要したり、黙り込んだりするとのこと。そんなコミュニケーションのかたちは彼女固有のもの。そこに彼女自身さしたる苦悩がないならば、そのスタイルをうまく維持できるよう支持するだけ、が一番いいかもしれない。

「社会に出たときに支障が出るのでは」というあなたの懸念について。あらかじめ〝社会〟という漠たるモノを想定し、それに備えるというのは、まるで雲をつかむようなことであり、現実的・実践的に有効な対処ではありません。そもそも、この悩みの形こそが、他ならぬあなた自身の〝社会に対する漠たる不安〟を指し示しているとはいえませんか。「彼女を守れる保護者は私一人しかいない」という寄る辺なさが、問題の根本です。しかし、本当に〝私一人〟だけでしょうか。頼りないと思っていた長女、もうこの年頃なら、母と苦悩を共有しても悪くない。もっと言うなら、親子3人でも可能です。次女自身が思いの外、自分について分かっているかもしれない。灯台下暗し。受診するより前に、やっておくべきことがあるのです。

回答者

熊木徹夫(くまき・てつお) 精神科医。昭和44年生まれ。「あいち熊木クリニック」院長。著書に「自己愛危機サバイバル」「ギャンブル依存症サバイバル」(ともに中外医学社)、「精神科医になる~患者を〈わかる〉ということ~」(中公新書)など。

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