東日本大震災の発生から11年となった11日、札幌市中央区の地下歩行空間では市民団体が主催する被災地の今を伝える展示会場で黙祷(もくとう)が行われた。
「12年目の3・11」がテーマの会場では震災の記録や防災などに関する図書や資料など約600点を展示。今年1月に団体の関係者が現地で撮影したという岩手、宮城、福島の3県の動画を特設スクリーンで写したり、パネル写真を展示したりして、被災地の現状などを伝えた。
地震が発生した午後2時46分になると、会場とその周辺に集まった50人以上の市民らが震災で犠牲になった方々への鎮魂の思いを込めて1分間の祈りをささげた。
市内に住む村上とき子さん(75)は「今もつらい思いをしている人がたくさんいる。早く穏やかな日々が来ますように、と願いながら黙祷しました」と話した。
会場では復興した宮城県気仙沼市の防波堤をVR(仮想現実)映像で紹介するコーナーも設けられ、活動に参加していた北海道科学大学メディアデザイン学科3年のボランティア、弓野詩苑さん(21)は「きょうは忘れてはいけない日。私なりにできることを精一杯やりたい」などと語っていた。