遊休地活用で「車中泊」のインフラ整備を マナー問題解消しつつ観光誘致に

SankeiBiz

新型コロナウイルス禍の影響で密を避ける旅行手段・宿泊方法として人気急上昇中の車中泊。SUVやワンボックスカーで手軽に泊まる流れも強まり、ブームはまだまだ拡大しそうだが、「道の駅」など公共の駐車場での宿泊やごみの放置といったマナーに関わる問題も再燃している。こうした中、日本RV協会(横浜市)はマナー問題の解決と観光地の振興の一石二鳥を狙った施策を展開中だ。髙橋宣行副会長は「単にマナー違反として締め出すのではなく、ニーズと捉えてインフラを整備することで、むしろ経済効果を生み出すことができる」と話す。

電源やトイレ等が完備された「車中泊」用の駐車場が全国で増加中(日本RV協会)
電源やトイレ等が完備された「車中泊」用の駐車場が全国で増加中(日本RV協会)

一般車両に紛れる「車中泊」のマナー違反

車中泊をめぐるマナー問題は今回のブームに始まったことではない。いまから10年ほど前、休日のETC利用車を対象に高速道路料金を上限1000円に割引する制度が導入され、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、道の駅を利用した車中泊が大流行した。本来、「仮眠」しか認められていない場所での不当な長期滞在の他、ゴミの廃棄や排水、トイレの水を使った炊事、自動販売機からの盗電等、想定外の使われ方が社会問題となり、公共駐車場からキャンピングカーユーザーを退去させようという声が強まった。

日本RV協会は当時、こうした苦情への対策として、公共駐車場でのマナー厳守を呼び掛ける「10カ条」を制定。キャンピングカー利用者へのマナーの浸透に力を尽くした。そこに到来した新たな車中泊ブームは、落ち着いたはずのマナー問題を再燃させた形だ。

日本RV協会が制定した「公共駐車場でのマナー厳守10ヵ条」(抜粋)(日本RV協会提供)

ただ、最近のマナー問題はこれまでと様相が異なると髙橋氏は指摘する。その違いとは、SUVやワンボックスカーといった一般車両で「バンライフ」と呼ばれる車中泊を気軽に楽しむ人たちが増えたことだ。

「かつてのキャンピングカーがマナー違反の主体だった頃は周囲もそれと認識しやすく、利用者側も自覚をもってマナーを守るようになっていった」(高橋氏)。しかし、最近の一般車両を用いた車中泊は通常の駐車利用の車両に紛れて見分けがつかない。手持ちの車で手軽に車中泊ができるようになり、髙橋氏は「以前と比べて数も格段に増えている」と分析する。

悪化する状況に、マナー遵守を呼び掛ける看板を立てるなど取り締まりを強化する駐車場も増えているが、その効果は薄く、現場の関係者も頭を悩ませているという。

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