明治安田J1第3節第2日(6日、浦和2―0湘南、埼玉)浦和はFW江坂任(あたる、29)らの得点で湘南を2―0で下し、開幕5戦目で初勝利を挙げた。新型コロナウイルスの影響で活動を停止し、開幕戦以来となったFC東京はC大阪に1―0で競り勝った。横浜Mは清水に2―0で快勝し、2連勝の勝ち点10で首位に立った。神戸は広島と引き分け、初勝利ならず。
開幕5試合目での初勝利。1万9144人を集めた埼玉スタジアムには応援旗がはためき、浦和サポーターの拍手が鳴り響く。選手たちは抱き合い、ロドリゲス監督は両拳を握りしめた。先制点を決めたFW江坂が表情を緩める。
「決めきれない試合が続いて責任を感じていた…。自分のゴールで勝ててほっとしている」。前半16分だった。DF大畑が左サイドを疾走して中央へクロス。走り込んだ江坂が右足を振り抜くと、ボールは相手GKに当たりゴールネットに突き刺さった。「ふかさないように枠に飛ばすことを意識した」と今季初ゴールに納得の表情。後半42分には、途中出場したDF馬渡が左足で駄目押し点を決め、粘る湘南を振り切った。
「内容はいいのに勝てない」と選手も指揮官も首をひねっていた。開幕4試合で1分け3敗。それでも「続けていこう」と信じて戦った。ハーフタイムに選手同士で「2点目を取りに行こう!!」と声を掛け合った。守りに入らず攻めの姿勢を貫いたことが、2点目につながった。
日本代表の森保監督も視察に訪れた。勝てば日本のW杯出場が決まるオーストラリア戦(シドニー)を24日に控え、国内組の状態をチェック。1月の代表候補合宿に招集された江坂は、目標に掲げる11月のW杯メンバー入りへ「一歩一歩、成長していきたい」と決意する。
「今日は試合内容もよくて結果も出た。この勝利で勢いも出てくる」。29歳が手応えを口にした。目標のリーグ優勝へ反転攻勢をかける。(宇賀神隆)