明治安田J1第3節第2日(6日、C大阪0―1FC東京、ヨドコウ)試練を乗り越え、新生FC東京が初勝利。死闘に終わりを告げるホイッスルが鳴ると、ベンチ前には就任後初の白星を挙げたアルベル監督を中心に歓喜の輪ができた。
「コロナの苦しみのあとに、勝利をつかめたことをうれしく思います」。今季からIT大手のミクシィが経営権を取得。新監督を招聘(しょうへい)し、堅守速攻から、ボールを保持する攻撃的なサッカーへの転換に着手している。クラブが大きな変革期を迎えるなかで、チーム内で新型コロナウイルス感染が拡大。2月20日から26日まで活動停止に追い込まれた。
この試合でも苦難が襲った。前半23分にFW紺野が先制ゴール。しかし、指揮官が「コンディションが万全ではない」と言うように後半に入って運動量が落ち始めると、後半16分にはMF青木が退場となり、数的不利にも陥った。それでも、仙台から新加入のGKスウォビクが好セーブを連発。全員でC大阪の猛攻をしのいだ。
「成長したあかつきにはボールをさらに支配し、試合を終わらせることを習得できる」とスペイン出身でワインが好きな指揮官。自身の好物のように、じっくり寝かせて味のあるチームを作り上げる。