トンガの海底火山噴火と津波被害を受け、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」は、大型船の接岸が難しい離島への物資輸送を行う陸上自衛隊のCH―47輸送ヘリコプター2機と、海自のエアクッション艇「LCAC(エルキャック)」2艇を搭載し、2月9日に現地に到着した。補給艦「とわだ」が洋上給油を行いながら、2週間以上の航海だった。
これまでも、陸自ヘリを海自艦艇で運用する経験がなかったわけではないが、多くの陸自パイロットにとって艦艇への離着艦は容易ではない。そもそも、これだけの期間、波に揺られること自体が慣れないと思われる。3月上旬の無事の帰還を願うばかりだ。
大型ヘリを乗せて行くには、輸送準備だけでも手間がかかる。ブレードを外して輸送用のプレートを機体に設置したうえ、サビ防止のため機体全体をカバーで厳重にラッピングする。もちろん、事前の訓練も欠かせない。
今回の派遣では、「おおすみ」で淡水化した水や、JICA(国際協力機構)などが用意した飲料水や食料品、防塵マスク、ゴーグルなどを届けた。積もった火山灰を取り除く高圧洗浄機、リヤカー、一輪車などによって、復旧活動が加速されることが期待される。
艦内では支援物資の一つ一つにメッセージが寄せ書きされ、千羽鶴もつくられたという。