大阪府は4日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、高齢者施設でクラスター(感染者集団)が多発している現状を懸念し、施設側の対応を調査することを決めた。連携する医療機関の有無や施設内で可能な治療などを確認し、今月中旬をめどに取りまとめる方針。
府は、新型コロナ特別措置法に基づく蔓延(まんえん)防止等重点措置の期限延長が決まったことを受け、飲食店などを対象にした営業時間短縮要請や、高齢者施設での面会自粛など現行の措置を7日以降も継続する。
府が昨年12月17日を始まりとする感染「第6波」では、死者の9割以上が70代以上。このデータを裏打ちするように、今月2日までの7日間に発生したクラスター113施設2022人のうち、施設数と感染者数のいずれにおいても高齢者施設関連が6割を占める。
府は対策本部会議で、高齢者施設の類型別に昨年12月から今月2日までに確認されたクラスターの発生状況を分析して公表した。
報告によると、施設数の内訳では「有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム」が35・1%と最多で、特別養護老人ホーム24・6%▽サービス付き高齢者向け住宅14・1%▽介護老人保健施設13・7%-と続いた。
感染者数では、特別養護老人ホーム32・9%▽「有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム」26・4%▽介護老人保健施設21・6%-だった。
また府は国の通知などに基づき、陽性判明後速やかに治療を受けられるようにするため、府が指定している「診療・検査医療機関」をすべて公表することも決めた。府医師会の協力を得て今月中旬をめどに始める予定。
吉村洋文知事は対策本部会議後、記者団に「連携する医療機関がない高齢者施設もある。医療従事者も一生懸命やっている中だが、(高齢者施設と医療機関の)連携強化が早期治療につながる」と述べた。