ゴーン事件 ケリー被告東京地裁判決要旨

産経ニュース

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告をめぐる役員報酬過少記載事件で、3日に東京地裁が言い渡した判決の要旨は次の通り。

【罪となるべき事実】

ゴーン被告は大沼敏明元秘書室長と共謀し、平成23~29年度、元会長の役員報酬が総額約152億円だったにもかかわらず計約69億円とする有価証券報告書を提出した。元代表取締役のグレゴリー・ケリー被告は29年度分のみ2人と共謀。

【双方の主張】

検察官はケリー被告も虚偽記載のある報告書提出に関与したと主張する。ゴーン被告の報酬の中には金額が定まりながら後に支払うものとして管理されている「未払い報酬」があり、これを報告書に記載しなかったという。元秘書室長は未払い報酬の記録や管理を担い、ケリー被告は支払い方法の検討や整備、いわば「裏報酬のロンダリング」を担っていたと主張する。

一方、ケリー被告の弁護人は未払い報酬は存在せず、仮にゴーン被告と元秘書室長との間に共謀があってもケリー被告の共謀はないと主張する。

【元秘書室長らの供述の信用性】

元秘書室長の供述は最も重要な証拠だが、刑事訴訟法上の協議および合意の当事者という事情がある。有利な取り扱いを受けたいとの思いから、検察官の意向に沿うような供述をしてしまう危険性をはらんでおり、信用性を慎重に検討すべきだ。

【未払い報酬の存否】

ゴーン被告は自身を含む取締役の報酬を決める権限を持っていた。ゴーン被告の指示を受けた元秘書室長らが、報酬総額と実際に支払われた額、その差額である未払い額を1円単位まで明記した書類を作成し、ゴーン被告に提示していた。ゴーン被告は未払い報酬が存在することが前提となる行動を取っており、未払い分の数字については参考の数字だったとする主張は信用できない。報酬総額は実際に報告書で開示された額を大きく超過しており、未払いの報酬の存在が認められ、虚偽記載があった。ゴーン被告と元秘書室長は虚偽記載を含む報告書提出の認識があり、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪の故意が認められる。

【ケリー被告の認識】

ケリー被告とゴーン被告、元秘書室長との共謀を直接証明する証拠はなく、元秘書室長と情報交換していた形跡もない。ケリー被告が各種支払い方法を検討していた状況からは未払い報酬の存在を認識していたとは推認できない。ただ30年6月27日付の文書を目にしたことで、29年度分については未払い報酬に関する認識があったと認められる。

【量刑の理由】

ゴーン被告は真の報酬額が明らかになれば自身の地位を失いかねないため、未払い報酬を元秘書室長に管理させ、ケリー被告に別の名目で支払う方策の検討をさせた。自らの保身を図ろうとする私利私欲に基づくものだ。事件の要因はゴーン被告による長期独裁体制で醸成された日産の企業体質にあった。ガバナンス(組織統治)の機能不全こそが長期にわたるゴーン被告の身勝手な犯行を許した。会社の社会的評価が低下したことは身から出たさびというほかなく、刑事責任は重大だ。

ケリー被告は本来なら会社の利益を優先すべきなのにゴーン被告を優先した。有罪認定が1事業年度分のみとはいえ、責任は軽視できない。その上で、主犯はゴーン被告だったこと、ケリー被告自身に直接の利得はなく、役割は比較的軽かったことなどを踏まえれば、執行猶予が相当と判断した。

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