3日の競泳の国際大会日本代表選考会(東京辰巳国際水泳場)女子400メートル個人メドレーで 伸び盛りの高校3年生が躍動した。谷川亜華葉(あげは)=イトマンSS=が4分36秒45の高校新記録をマークして優勝。派遣標準記録を突破し、世界選手権の代表に内定した。「(4分)35秒台が出るんじゃないかなって思っていた部分があった。うれしい気持ちと悔しい気持ちが半分半分」と喜びは控えめだった。
東京五輪金メダリストの大橋に、中学生の成田とともに挑んだ。最初のバタフライから積極的に飛ばし、前半を2分13秒67で折り返した。後半は耐えた。最後の自由形では「年下なので負けたくない」と成田の猛烈な追い上げを振り切った。
400メートル個人メドレーで予選敗退に終わった昨夏の東京五輪後は「泳ぐのが怖かった」と悩んだ。約2週間のオフでは「水泳のことを考えたりとか胸のうちを話そうとすると涙が出る」くらい追いつめられていた。だが、同じイトマンの先輩の大橋らからの励ましに奮起。冬の鍛錬期を乗り切り、復調した。
関係者の期待を集める18歳は6月開幕の世界選手権に向け、「楽しみながら、精いっぱい泳いで、蝶のように羽ばたきたい」とにっこり。その視線の先にある24年パリ五輪に向け、真っ直ぐに突き進む。(久保まりな)