復興の今と未来

(中)三陸沿岸道 物流、観光に期待

産経ニュース
平成29年にオープンした三陸沿岸道路の道の駅「三滝堂」=宮城県登米市(奥原慎平撮影)
平成29年にオープンした三陸沿岸道路の道の駅「三滝堂」=宮城県登米市(奥原慎平撮影)

「だいぶ移動時間が短くなった。昔の半分くらいのイメージだ。スピード感を持って仕事ができる」

東北一円を営業で回るという宮城県気仙沼市の会社員、小山剛さん(60)は先月27日、立ち寄った三陸沿岸道路(青森県八戸市-仙台市、359キロ)の道の駅「三滝堂」(登米市)で全線開通の手応えをこう語った。八戸市のトラック運転手の男性(49)も「三陸道はほぼ無料で安上がりだ」とコスト面で評価した。

東日本大震災復興の「リーディングプロジェクト」に位置づけられる三陸沿岸道が昨年12月に全線開通した。物流網の強化や観光振興など復興の起爆剤に期待される。太平洋沿岸部は震災被災の傷痕に加え、人口減という課題に直面する。

三陸道開通で移動時間の大幅短縮が見込まれる。国土交通省によれば、仙台市─岩手県宮古市間が約2時間短縮し、約3時間で移動でき、宮古市─青森県八戸市間は約1時間短く、約2時間で結ぶという。無料区間は約330キロに及ぶ。

三陸道は昭和49年に事業化され、57年に松島大郷-松島北IC間(宮城県松島町)で初開通した。ただ、過剰な公共投資批判を受け計画は停滞する。平成23年の震災時、開通区間は129キロにとどまっていた。

震災で風向きは変わる。政府は平成23年度の第3次補正予算に未着工区間の整備費を計上。10年での全線開通を目指し、整備を加速していった。

三陸道と東北自動車道など内陸道路を結ぶ計4本の「復興支援道路」(計215キロ)を合わせ、総事業費は計2・2兆円にのぼった。コストに見合う効果が得られるかが今後の焦点になる。十分な交通量を得られなければ、有料化の検討議論が浮上する可能性もある。都市部へのアクセス向上に伴い、沿岸部の住民が買い物のため、都市部に流出し、地元に金が落ちなくなるという懸念もある。

宮城県の村井嘉浩知事は昨年12月20日の会見で全線開通について「東北全体にとってプラスに働くのではないか」と期待を述べた。その上で、幹線道路などの整備によって、大都市にヒト・モノ・カネが吸い取られる〝ストロー効果〟に懸念を示した。村井氏は「ストロー効果で人が出ていき、人口減に拍車がかかってしまう心配はある」とも語った。

インフラを生かし、地域を活性化できるか。地元の創意工夫が求められる。(奥原慎平)

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