政府は1日、感染症拡大などの緊急時に新たに開発されたワクチンや治療薬などを速やかに使えるようにするための医薬品医療機器法改正案を閣議決定した。臨床試験(治験)の最終結果が出る前でも、有効性があると推定されれば承認できる「緊急承認」制度を新設する。
緊急承認制度は、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の実用化が欧米よりも遅れた反省を踏まえて、薬事承認を迅速化するのが狙い。適用対象は、国民の生命に重大な影響を及ぼす恐れがある病気の蔓延(まんえん)を防ぐために必要な医薬品や医療機器で、他に代替手段がないことを条件とする。
実用化からおおむね2年の期限内に有効性が確認できなければ承認を取り消す。安全性については従来と同じ水準の確認を求める。