瀬戸内海に春の訪れを告げるイカナゴの稚魚「シンコ」漁が1日、大阪湾や播磨灘で解禁された。シンコは「くぎ煮」と呼ばれる甘辛いつくだ煮に使われ、沿岸地域の郷土料理として親しまれている。
この日は兵庫県明石市の林崎漁港などから漁船が出港。午前8時すぎに同港に帰った船からは銀色に輝くシンコが入った籠が次々と水揚げされ、初競りでは1籠(約25キロ)8万円の値が付いた。
県水産課などによると、かつては1万トンを超えていた漁獲量が、5年ほど前から2千トンを下回るようになり不漁が続く。水質改善で、餌となるプランクトンが減少したことが一因とみられる。林崎漁協指導課長の久留嶋継光さん(32)は「小さくなく、良いイカナゴが取れた。大衆魚だが近年は単価が高くなっており、資源回復を目指したい」と話した。