最近、テレワークの普及もあり、「副業」に挑戦する人たちが増えている。しかし、ただお金のためだけの副業はつまらない。お金のことだけ考えていると心身を病んでしまいかねない。私も会社員時代、お金のためだけの副業をして疲れ切った記憶がある。
副業は「好きで得意な仕事で楽しむ」ぐらいの構え方のほうが断然いい。そこに「自己表現」を組み込めば自分自身の昇華にもつながる。今回は、そのための「サードプレイス・ビジネス」の始め方をお伝えしたい。
■「自分で決めて始める」のは怖い
私は20年前からサードプレイス・ビジネスのアドバイスを行っている。勉強会には、現役の人だけでなく、定年退職後に好きで得意なことで〝アソビジネス〟を始めたい人も参加している。
役職定年を控える人のなかには「結局この30年間はなんだったんだ?」とこぼす人も少なくない。そして、こんな反省の言葉を口にする。
「もっと自分の軸を持てばよかった。会社と家の間にサードプレイスを作っておけばよかった。これから自分で何かを考えて、新しく始めるなんてできない」(50代・大手企業管理職男性)
自分の意志で何かを始める時に、ワクワクより先に諦めに近い不安が襲ってくるのだ。
■「秘密基地づくり」と思えばうまくいく
では、どうするか? まずは子供時代の感覚に戻ればいい。「失敗したらどうしよう」などと考えず、小さく始めて微修正をしながら楽しむのだ。
子供の頃に「秘密基地」を作ったり、新しい遊びを考えた時のあの感覚だ。そこにマニュアルはなく、試行錯誤自体を楽しんでいたはずだ。まずは、そういう素直な気持ちになることが大切だ。