露侵攻「家族は、友は…」 在日ウクライナ人、無事祈る

産経ニュース
ウクライナへのロシアによる軍事作戦が始まり、東京・渋谷で抗議活動するウクライナ出身者ら=24日夜
ウクライナへのロシアによる軍事作戦が始まり、東京・渋谷で抗議活動するウクライナ出身者ら=24日夜

ロシア軍が24日、ウクライナへの侵攻を決行した。東部地域で親露派武装勢力による実効支配が続き、ロシアの軍事介入の可能性が指摘され始めた昨秋以降、地元住民の間でも緊張感が高まっていた。日本で暮らすウクライナ人らは激動する祖国を憂い、家族や友人の無事を願った。

日本国内で「ロシア軍侵攻」の一報が流れたのは、24日昼過ぎ。東京都練馬区に住むウクライナ人の男性会社員(24)は約1カ月前に結婚したばかりの妻を首都、キエフに近い町に残しており、すぐに連絡を取った。現地は早朝の時間帯。妻によると、街中には緊急事態の警報が鳴り響き、爆発音が聞こえたという。

母親が暮らす北東部のスムイ州でも爆発音が2回とどろいたといい、「ストレスがたまっているようだった」と不安を募らせる。男性は「今は2人の無事を確認できているが、今後はどうなるか分からない。市中で戦闘が起こらないよう祈っている」と話す。

ロシアの強硬姿勢に対しては「ウクライナだけではなく、民主主義や人権の問題だ。世界に実情を知ってほしい」と訴えた。

ウクライナから約18年前に来日し、都内で働くレヴチク・インナさん(36)も「家族や友人がどうなるか心配で、いらいらした気持ちが止まらない」と不安を口にする。出身のドニエプロペトロフスク州は伝統的にロシアと距離を置き、政情は安定していたが、最近になって異変が起きていたという。

姉(40)の長女(12)が通う学校では2月中旬に突如、空襲を想定した避難訓練が始まった。サイレンに合わせ、学校に備え付けの地下室に避難し、その後、自宅に戻る手順などを確認した。姉も非常事態に備え、パスポートや外貨などの貴重品をバッグに詰め、いつでも逃げられるようにしていた。

ロシア軍侵攻の報道を聞いて連絡を取り、姉家族の無事を知って胸をなでおろしたインナさん。自分でも動画投稿サイトでウクライナ国内のニュース映像を見るのが日課だが、政治的立場で内容が異なり、正確な情報を把握することさえ困難だと感じている。

知人の中には、ロシアが「独立」を承認した親露派武装勢力が実効支配するルガンスク州出身で、現地に娘を残す人もいる。これまでも武装勢力とウクライナ政府軍との間で局地的な軍事衝突が頻発。インナさんの幼馴染は2人、戦闘で命を落とした。「これ以上、誰かが死ぬようなことは起きてほしくない。みんな疲れたよ」。祈るようにインナさんは語った。

ウクライナ行きの航空便は軒並み運航停止され、日本在住のウクライナ人は家族のもとに駆けつけようにもかなわない。

キエフ出身で大阪で会社を経営するアンドリイ・ナウモヴさん(39)は「母と兄家族がどういう状況に置かれているか分からず心配だ。連絡を取り合いながら、安全な地域に移住してもらうしかない」と嘆息。その上で「国際社会は今になってロシアの『本当の顔』に気付かされた。ウクライナが占領されたら、今度は他の国も侵攻の対象になる」と警告した。

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