ロシアによるウクライナ侵攻に対し、米欧を中心に国際社会からは強い批判が一斉に上がった。
バイデン米大統領は侵攻開始後、「プーチン露大統領は壊滅的な人命の損失と人的苦痛をもたらす計画的な戦争を選んだ。全責任はロシアにある」との声明を発表。24日開催のオンライン形式による先進7カ国(G7)首脳会議で対抗手段を協議すると強調した。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は24日、記者会見で「EUは強烈な措置をとる。プーチン露大統領は民主主義圏の力を甘くみるべきではない」と述べ、日米と連携し、ロシアに対する追加制裁を行う姿勢を示した。技術分野でEU市場へのアクセスを遮断し、資産凍結を行う構えだ。
ボレルEU外交安全保障上級代表は、「第二次大戦後、欧州で最も暗い時。ロシアは、かつてない孤立に追い込まれる」と述べた。
G7議長国ドイツのショルツ首相は24日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談した。独報道官が明らかにした。ショルツ氏は24日、ツイッターで「ロシアの動きは国際法違反。正当化はできない」とする非難声明を発表した。ジョンソン英首相はツイッターで、「ウクライナで起きた恐ろしい出来事にがくぜんとしている」と表明し、断固とした対応を取ると強調した。
国連では23日夜(米東部時間)、ウクライナ情勢に関する安全保障理事会の緊急会合中に、侵攻開始の情報が入った。国連のグテレス事務総長は会合後、「最も悲しい瞬間だ。既に多くの人が死亡し、この先の死者や避難民の数は予測しがたい」と記者団に語り、プーチン氏に対し、「軍隊を退却させる」よう求めた。
安保理会合では、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使が「同盟国などと一致団結し、断固とした態度でロシアの責任を追及する」と非難し、24日に決議案を提出すると宣言。英国が全面支持を表明した。フランスなども歩調を合わせた。(ワシントン 渡辺浩生、パリ 三井美奈、ロンドン 板東和正、ニューヨーク 平田雄介)