奈良市は22日、新型コロナウイルスの感染拡大による病床逼迫(ひっぱく)で、自宅療養をせざるを得ない高齢者を対象にした宿泊療養施設を開設し、報道陣に公開した。1人暮らしなどで自宅療養が不安な高齢者を主に受け入れる。
施設は同市の南福祉センターを活用。定員は10人で、食事や排泄(はいせつ)などで介助を必要としない高齢者が対象となる。入所調整は市保健所が行う。
看護師2人が常駐し、医師が毎日往診する。容体が急変した場合は、自宅療養を支援する市のフォローアップセンターと連携するなど、24時間体制で対応にあたる。施設にはテレビを備えた休憩室もあり、食事も提供する。
市によると、22日現在、市内で入院・入所調整中を含めた自宅療養者は1505人に上り、感染は若年層から高齢者に移っているという。
市内の高齢者施設では21日時点で21件のクラスター(感染者集団)が発生。市の担当者は「症状は安定していても、自宅療養を不安に思う高齢の感染者は多いため、施設の運用を決めた」としている。
市医師会の上繁宣雄理事(51)は「入院が難しい方が、安心して療養していただけるよう、看護師らと協力しながら、ケアにあたりたい」と話した。