「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記

佐藤輝がバースなら掛布は誰? 鍵をにぎる打線構想

産経ニュース
キャンプの紅白戦で、本塁打を放つ阪神・佐藤輝
キャンプの紅白戦で、本塁打を放つ阪神・佐藤輝

怪物・佐藤輝が完全復活ならば虎打線は〝怪物覚醒シフト〟を敷くべきでしょう。矢野阪神の沖縄・宜野座春季キャンプはあす23日から最終クールに突入。投打ともにさまざまな状況が生まれている中で、特筆すべきはプロ2年目の佐藤輝明内野手(22)の進化です。紅白戦、練習試合など6試合に出場して21打数9安打1本塁打3打点、打率は4割2分9厘。ボール球をムチャ振りする姿は現時点までは見られません。ボール球を振らなくなった怪物・佐藤輝-。ならば、首脳陣は相手投手が怪物君にボール球を〝投げられない〟打線構成を考えるべきです。1985年、日本一に輝いたダイナマイト打線ではバースの後ろに掛布と岡田が控えていました。

■投手陣の質と量はピカ一

さあ春季キャンプが始まったと思ったら、もう23日からはキャンプの最終クールに突入です。28日のキャンプ打ち上げまでの6日間ですが、広島との練習試合(23日=宜野座)とオープン戦の中日戦(26日=北谷)、ヤクルト戦(27日=浦添)が行われるため、もう練習だけの日は実質、2日だけです(通常、打ち上げ日は半日で練習終了)。 ここまで投打にさまざまな材料が出てきています。投手陣ではドラフト3位ルーキー桐敷拓馬投手(22=新潟医療福祉大)が頭角を現し、首脳陣の間ではリリーフ起用どころか先発テストの声まで出ています。このコラムでも矢野監督が左腕・桐敷を高く評価していること(1月11日アップ「新庄騒動に惑わされるな!矢野阪神に左腕王国誕生の予感」)を書きましたが、前評判通りの結果を出しています。逆に先発に挑戦している及川やリリーフの岩貞あたりの状態は心配されますが、投手陣の質や量は他球団との比較でも「阪神が一番抜きんでている」という声を球界OB達は異口同音に発していますね。

春季キャンプを取材していると、どうしても自分が見続けているチームが強く感じられ、戦力を過大評価してしまう傾向はあるのですが、他球団も視察した球界OBのフラットな評価は信じてもいいと思います。

一方、心配されるのは攻撃陣でしょう。「まだ評価は早い」という声もありますが、先週のコラム(2月15日アップ「韓国球界2冠王ロハス・ジュニアは覚醒するのか? サンズが恋しくなる」)で書いた通り、ロハス・ジュニアの打撃内容は上昇しません。20日の中日戦(宜野座)でも7番DHで出場したものの、4打数ノーヒット2三振。低めの変化球にバットが止まらず、打席での姿に外国人選手らしい迫力が全く感じられません。

さらに昨季、新人ながら135試合に出場、遊撃のポジションを奪い、打率2割7分3厘、30盗塁で盗塁王にも輝いた中野拓夢内野手(25)が下肢コンディション不良で結局、沖縄の1軍本隊には合流できませんでした。平田2軍監督も慎重に言葉を選び「まだ(状態は)7割くらいじゃないか」と話しています。この時期に来て、100%のプレーができないとなると3月25日の開幕・ヤクルト戦(京セラ)でのスタメン出場には暗雲が漂いますね。

■好調な滑り出しの主力打線

厳しい材料ばかりを先に書きましたが、逆に明るい材料は核弾頭・近本の充実ぶりと、4番争いを続ける大山&佐藤輝の好調です。

交互に4番を打つ大山と佐藤輝ですが、大山はこれまでの実戦6試合で16打数7安打1本塁打3打点、打率4割3分8厘。佐藤輝も実戦6試合で21打数9安打1本塁打3打点、打率4割2分9厘。昨季、22本塁打の71打点をマークしたマルテもマイペース調整を続けていて、打線の基軸は近本が出塁して大山、佐藤輝、マルテで返す-となるのでしょう。

そこでマルテ、大山、佐藤輝の打たせる順番はどうなるのか?ここが虎打線のカギとなりますね。

もちろん、さまざまな考え方があるでしょう。矢野監督の頭の中ではどんな景色が描かれているのか、これは分かりません。ただ、絶対に留意しなければならないのは「ボール球を振らなくなった」佐藤輝の背後ですね。ここまでの実戦では、昨季59打席連続ノーヒットという大スランプに陥った元凶ともいえる「ボール球のムチャ振り」がなくなりました。自分のストライクゾーンを確認するような打席のしぐさも増え、「ボール球を追いかけない」という意識の向上が見受けられます。

では、もう本番でも大丈夫? とはなりません。シーズンに入れば、他球団は昨季のデータを基に内角高めのボール球、低めのボールゾーンに落ちる球を多用してくるでしょう。それを現在のように追いかけることなく、見逃すことができるのか…。このポイントは佐藤輝と相手バッテリーの心理戦です。ここが、佐藤輝の今季の勝負ポイントと言ってもいいでしょう。

そこで重要なのは佐藤輝の背後ですね。

例えば佐藤輝の後ろに現状のロハス・ジュニアを置くとどうなりますか。相手バッテリーは満塁のピンチでもない限り、佐藤輝との勝負は避けて、ロハス勝負になるでしょう。結局、佐藤輝に対してはボールゾーンで誘い、打ってくれたらラッキーとなるはずです。佐藤輝も背後の打者によっては「自分が打たなければ点が入らない」という切羽詰まった心境に陥りやすくなります。再びボール球を強引に打ちに行く〝昔の名前で出ています〟(ちょっと古い⁉ ちなみに小林旭のヒット曲です)になってしまいますね。

■佐藤輝の背後の打者は誰に

阪神が21年ぶりのリーグ優勝、球団創設初の日本一に輝いた1985年(昭和60年)、他球団を圧倒したダイナマイト打線のクリーンアップはバース、掛布、岡田でした。なかでも3番・バースは126試合出場で打率3割5分、54本塁打の134打点。見事に三冠王に輝きました。ここで注目すべきはバースの四球数です。これだけ打ちまくったのに67四球です。昨季、優勝したヤクルトの4番・村上は106四球、広島の4番・鈴木誠也は87四球でした。なぜ、打ちまくったバースに対して相手バッテリーは逃げずに攻めていったのか?

背後の4番に掛布、その後の5番に岡田が控えていました。この年、掛布は130試合出場で打率3割、40本塁打、108打点。岡田は127試合出場で打率3割4分2厘、35本塁打、101打点。バースとの勝負を避けても、背後に強打者がいるのでピンチを拡大するだけでした。なので、仕方なく勝負を挑んで餌食となったわけですね。

もう37年前のことです。現在の阪神打線には掛布も岡田もいません。ただ、考え方として「バース=佐藤輝」と見るならば、佐藤輝の背後には「相手バッテリーが佐藤輝と勝負せざるを得ない、ボール球ばかりを投げていられない」打者を置くべきでしょう。ならば佐藤輝が4番ならば5番は得点圏打率の高い打者か大山。佐藤輝が5番なら6番打者の人選は非常に大事になってくるでしょう。佐藤輝を3番に置くならば大山、マルテが続くことになるのでしょうか。

ボール球を振らなくなった怪物君を生かすには、相手バッテリーにボール球を投げさせない打線構成が重要ではないでしょうか。阪神打線の生命線は近本が出塁し、佐藤輝、大山、マルテで返す…でしょう。進化した佐藤輝を最大限に生かす方策こそがチームの得点能力向上のカギだと思います。それこそ、17年ぶりのリーグ優勝への打線のカギなのです。

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。

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