【パリ=三井美奈、モスクワ=小野田雄一】ロイター通信などによると、フランス大統領府は20日、マクロン大統領がバイデン米大統領およびロシアのプーチン大統領とそれぞれ電話で会談し、米露首脳による会談を提案したと発表した。米露首脳は会談実施で原則合意したとしている。
米ホワイトハウスの声明によると、米露会談はロシアがウクライナ侵攻に踏み切らないという前提条件で行われる。ブリンケン米国務長官とラブロフ露外相が24日に予定している協議で内容などの詳細を詰めるとしている。
また、仏大統領府によると、マクロン氏とプーチン氏との電話会談では、ロシア、ウクライナ、欧州安全保障協力機構(OSCE)の3者会合を「数時間内」に開くことで合意した。仏大統領府はまた、ルドリアン外相とラブロフ露外相が近く会談する見通しであると明らかにした。
3者は2015年、ウクライナ東部紛争の停戦合意に調印しており、会合では停戦への関与を確認する狙いがある。仏露首脳は、外交による危機解決を目指す立場を確認した。
また、仏メディアは、プーチン氏が会談で、ロシアとベラルーシが同国南部で実施中の合同軍事演習が終了後、露軍を撤収させると述べたと報じた。
ただ、ロシアとベラルーシは20日、同日まで予定していた合同演習の延長を決めたと発表し、露軍部隊は引き続きベラルーシに展開することが確実となった。
マクロン氏は20日、プーチン氏との会談後、ウクライナのゼレンスキー大統領とも電話で会談した。ゼレンスキー氏はツイッターで、3者会合への支持を表明した。
ウクライナ東部では、20日も親露派が「ウクライナ軍から砲撃された」と発表した。ウクライナは砲撃を否定している。