とはいえ、自宅ではあまり野球の話はしないそうだ。「外でずっと野球のことを考えているので、家に帰ったらやっぱり心を休めたい。彼もあまり言ってこないので楽です」。ただ、本当に行きづまったときには、ポジティブな言葉で元気づけてくれるという。
高塚は今後も野球選手として活躍していく。「今まで結婚して現役を続けている人はあまりいなかった。やっぱり結婚したいから野球を辞める。時間とか生活とか、どうしても女性が男性に合わせることが多い。そうなると自分がしたいことを我慢しなくちゃいけない。でもそうじゃなくて、女性としての幸せと自分のやりたいことの幸せの両方をとる。今までにないってことは厳しいことなのかなと思っていたけど、それを理解してくれる人に出会えた」。どちらかを選ばなくていい。欲しいものはすべて手に入れればいい。それを彼が教えてくれた。
「これからも野球選手として頑張りたい。阪神タイガースWomenとして全国制覇もしたいし、家庭も両立させてやっていきたい」。高塚のそのキラキラ輝く幸せな姿は、後に続く女子野球選手たちの希望であり道標だ。(土井麻由実)