ベールを脱いだ最速152キロ右腕にセ・リーグ各球団の「007」も驚きを隠せなかった。ヤクルト・山口スコアラーは「角度があっていい球だった。歩幅も少し狭くて、奥川に似ているところはある。さすがドラフト1位」と語れば、巨人・中里スコアラーは「素晴らしい素材。これからもっと強くなってくるだろうし、将来が非常に楽しみ」とうなずいた。
「質」を求めて直球を磨く。「藤川さんみたいに、直球で勝負できるような投手になるのが理想です」。1月の新人合同自主トレでは回転数や軸、変化量などを数値化する機器「ラプソード」で縦方向の変化量を示す「ホップ成分」でプロ平均を上回る50センチ以上の数値をマーク。平均で60センチに迫る数値を計測していたとされる藤川氏の〝火の玉ストレート〟が目標だ。
「技術的な部分では回転を限りなく縦にするように。キャッチボールから一番、意識している部分です」と小園。より伸びが増すよう、回転軸が地面と水平になるように心掛けており、この日は今キャンプ最長となる約60メートルまでキャッチボールの距離を延ばした。
今後も慎重に段階を踏むが「球の強さ、速さはもっと上がってくると思う。気負ったりせず、自分らしくやっていけたらいい」と初々しく話した。広大な海に面したアトムホームスタジアム宜野湾のブルペンから、背番号18が再スタートを切った。(横山尚杜)