快音、止まらん! 阪神は12日、楽天との練習試合(宜野座)に3-0で勝ち、今春の対外試合で初白星を挙げた。「4番・三塁」でフル出場した佐藤輝明内野手(22)は右に左に4打数3安打と暴れ回った。大山悠輔内野手(27)と繰り広げる熾烈(しれつ)な4番争い。実戦4試合で打率・467と絶好調の大砲がまた一歩前進した。このまま最後まで突っ走る。主砲の座は譲らない!
耳に残る痛快な打球音が3度も響き渡った。やはり、この男は〝打線の中心〟がよく似合う。熾烈な4番争い。どんより曇った宜野座のグラウンドを明るく照らした佐藤輝が、主砲としての適性をまざまざと見せつけた。
「いい当たりがでたのでよかったです。(全方向にヒットが出たのは)いい傾向だと思います」
まずは先制した直後の一回1死一塁。楽天の先発左腕・藤井の外角球に逆らわず痛烈な左前打を放った。今季の実戦での対左投手初安打で勢いに乗ると、四回先頭の第2打席は、フルカウントから2番手・西口の低め133キロ変化球をすくい上げて右前へ。とどめは九回の第4打席。球場の隣にある宜野座高出身、大卒2年目右腕・内間の149キロ直球をとらえた。打球は左中間方向を鋭く弾む中前打。塁上をにぎわすたびに、今キャンプ最多1200人のファンから割れんばかりの拍手がわき起こった。
5日の紅白戦(宜野座)を皮切りに始まった大山との4番争い。ここまでの対外試合は交互に4番を任されている。11日の日本ハム戦(名護)では、「4番・大山」が3打数2安打だったのに対し、「3番・佐藤輝」は4打数無安打。後れをとるわけにはいかなかった。