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欧州系航空会社2社で勤務し、通算乗務歴18年の森井敦子さん。写真は、エジプト・カイロにて同僚と1日市内観光した際の様子。提供:執筆者
SankeiBiz読者のみなさんにだけ客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第122回は欧州系航空会社乗務18年目の森井敦子がお送りいたします。
CAはどこから通勤している? 国境越えの手段は?
日本で仕事をしていたら、区や市の境目を越えるのはごく普通。県境を越えて通勤するのも特に珍しいことではないと思います。では、国境を越えるとなったらどうでしょう?
日本では「国境を越える=海を渡る」ということに繋がりますが、ここヨーロッパでは車や電車で隣国と簡単に往来ができることもあり、国境を越えて就業している人は少なくありません。これが航空会社勤務ともなると、一つの国境を越えるだけでなく、いくつかの国境を越えて通勤している人もごく普通に存在するのです。
この記事を書いている私自身も国境を跨いで通勤しています。仕事に出向くのは月にだいたい2回程度、飛行機による通勤です。
同僚にも、車で国境を跨いで通勤する人が多くいます。新型コロナウイルスによるパンデミックが始まってからは、入国条件が常時変わります。車での移動をメインにしている同僚に尋ねてみると、入国条件によっては、列車での移動のほうが楽な時期もあるそうで、時と場合によって車と列車とを使い分けている人も多く存在します。
長距離通勤が許される条件は?
会社として、どのような場合に国境を跨ぐ通勤を許可しているのか? というと、「業務に差し支えなければ、いつでも、どこからでも」と言うほうがある意味正しい理解なのかもしれません。
急な欠員が生じた時に会社からの連絡によりフライトに応じる必要がある場合を「スタンバイ業務」といい、その際に、「連絡を受けてから1時間以内に規定の場所に出勤することができる」という文章が契約書の中にあります。そのため私たちCAは、スタンバイ業務がスケジュールに組み込められているときは、1時間以内に空港に辿り着けるような場所に滞在しています。