部下の自己実現は会社の利益になる 上司が支援できる3つのフィードバック

SankeiBiz

《今回の社長を目指す法則・方程式:國武大紀氏「<価値観><視野拡大><軌道修正>のフィードバック」》

「部下にやりがいを持って業務に取り組んで欲しい」

多くの上司の方が、少なからずそう願っていることと思います。しかしその一方で、実際の業務と彼らの価値観をどう結びつけてあげればよいのか分からない…そんな悩みを抱く人も少なくないと思います。今回は、部下の成長を後押しする方法に悩む上司の皆さんに、今日から使えるフィードバック方法をご紹介します。

※画像はイメージです(Getty Images)
※画像はイメージです(Getty Images)

パーパス、自己実現は綺麗事?

いきなりですが、皆さんの考えは、以下のAとBどちら派でしょうか?

A. 仕事にやりがいは欠かせない

B. 会社は個人のためのものではない。自己実現を仕事に求めるなど甘い

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A. 企業にも個人にも、それぞれパーパス(目的)が必要だ

B. 理想を語るのはいいが、現実はそう甘くない

これはどちらも一理ある考え方ですが、先日私が担当している別の連載で「企業と個人、それぞれのパーパスが大事になっている」という話を書いたところ、「話はよく分かるけど、実際にそのようにできている会社は存在しないのでは?」「理想論であって、現実的ではない」という声が複数寄せられて、なるほど、そう思っている人は多いのだなぁと思いました。

ハーバード大学ビジネススクールのテレサ・アマビール教授らの35年に渡る研究で明らかになったのは、「部下やチームにとっての価値観やテーマ、やりがいある仕事が前に進むように支援することが、個人と組織の創造性や生産性を高めるのに最も効果的である」ということでした。

これはつまり、個人や組織のパーパスややりがいを支援する(=自己実現を支援する)ことは、理想論でも綺麗事でもなく、結果を出したい上司、事業責任者、経営者にとっては至極実利的なことだということを示しています。

エグゼクティブコーチの國武大紀さん(株式会社Link of Generation 代表取締役)は、近著『その「ひと言」でチームが変わる 最高のフィードバック』で、部下の能力やパフォーマンスを高め、成長につなげるために、部下の自己実現を支援する3つの視点からフィードバックを行うことが効果的だと言います。今回はそのフィードバック方法をご紹介しましょう。

部下の価値観を具体化する

1つ目は<価値観>のフィードバックです。

価値観のフィードバックの目的は「部下の仕事に関する価値観を理解すること」にあります。

人は価値観というフィルターを通じて行動を起こします。仕事上での価値観の影響で最もわかりやすいのは、その仕事に対して意味を感じているか、その仕事が好きか嫌いか、でしょう。皆さんは部下が仕事に対してどのような価値観を持っているか、ご存知でしょうか? まず、彼らを知ることが大事なステップだと國武さんは言います。

では、そのためにはどうすればよいか。まず、部下に「仕事に対する想いや考え方を聞かせて欲しい」とシンプルに伝え、じっくり聴く時間を取りましょう。食事やティータイムでも良いと思いますし、流行りの1on1を設定しても良いかもしれません。

「入社した当初、どんな気持ちで仕事に取り組もうと思っていたの?」

「その頃と今を比べると、仕事に対する意識や考え方に何か変化はあった?」

「仕事にやりがいを感じてる? その理由は?」

「仕事が楽しいのはどんなとき? 逆にしんどいのはどんなとき?」

「仕事で大切にしていることは何?」

これらに対して、「それは具体的には?」「例えば?」などで深堀りして、部下の価値観を具体化していきましょう。そして、部下が話し終わったところで、最後に質問します。

「話してみて、何か気が付いたことや感じたことはある?」

先に数々の質問に答えたことで、部下は自分の言葉で確認することができたため、思考が整理されているはずです。モヤモヤしていたものがはっきりしたり、何かに気づいたり、悩みが解決したりします。それと同時に、上司のあなたは、部下がどのような価値観を持ち、仕事に対してどのようなことを考えていたのかを知ることができるでしょう。

部下の成長を支援するために、部下の価値観を深く理解することは、とても大切な第一歩となるのです。

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