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新型コロナウイルスワクチンの追加接種がいつまでたっても加速しない。接種率が先進国で最低レベルというだけでなく、進捗(しんちょく)の遅れも深刻で、医療従事者や高齢者など本来接種すべき対象者のうち16%しか打てていない。自治体関係者に実情を聞くと、さまざまな課題が浮上するが、口をそろえるのが「国の初動や情報の遅れ」だ。識者は、岸田文雄政権の失策に端を発するとみる。
米国、英国と中国、韓国と日本の追加接種率を比較したのが別表だ。日本の接種率が低いのは一目瞭然だ。
「日本の接種開始時期は遅かったこともあり、一概に海外とは比較できないのではないか」(専門家)との意見もある。2回目から間隔を取る必要があり、3回目が遅れるのもやむを得ない面もあるが、問題は「接種すべき人」にも行き届くのが遅れていることだ。
昨年12月~今年1月に接種を想定する全国の医療従事者や高齢者らは1469万人。だが、国の「ワクチン接種記録システム(VRS)」では、接種完了回数は236万3995回と16・1%に留まる。