ユネスコ(国連教育科学文化機関)が所管する「世界文化遺産」への推薦締め切りが刻一刻と迫るなか、文化審議会が選んだ「佐渡島の金山」(新潟県)について、林芳正外相は「今年度の推薦をしないと決めたことはない」と、24日の衆院予算委員会で明言した。
野党質問への〝逃げの答弁〟ならまだしも、自民党三役(=高市早苗政調会長)への答弁だ。そこまで言っておいて、推薦をしなかったなら、この外相は〝その場しのぎだけの答弁者〟となる。
しかし、外相の人品・資質よりも、はるかに大きな問題がある。
韓国側の主張を認めるような流れのなかで推薦を見送れば、諸外国から「日本には後ろめたいところがあるのだろう」と疑われる。
韓国は「安倍晋三政権とは違って、岸田文雄政権はイチャモンをつければ折れてくる」と見て、あらゆる分野で対日攻勢をかけてくるだろう。
推薦見送りは、慰安婦問題に関する「河野談話」に匹敵する大失政になりかねない。
「佐渡島の金山」への韓国側のイチャモンは、「強制動員労働の現場だった」というものだ。そんな場所を「日本政府は世界遺産に推薦してはならない」と主張する。