石積み職人の矜持、躍動感もって描く 「塞王の楯」で直木賞の今村翔吾さん

産経ニュース
「塞王の楯」で第166回直木賞に選ばれた今村翔吾さんは、人力車で会見場にかけつけた
「塞王の楯」で第166回直木賞に選ばれた今村翔吾さんは、人力車で会見場にかけつけた

受賞の一報を受け待機していた都内のホテルから、人力車に乗って会見場入りした。「自転車で来た人はいるらしいけど人力車はおらんでしょう。文学界のお祭りということで…」。自称「チャラい歴史小説家」らしい派手な登場だ。

受賞作「塞王の楯」は石垣職人集団「穴太(あのう)衆」の活躍を描いた。過去の候補作「童(わらべ)の神」と「じんかん」は登場人物の躍動感が高く評価された。職人を描くだけでは動きが乏しいと考え、関ケ原の戦いの前哨戦とされる大津城の戦いに着目。穴太衆の流れをくむ建設会社への取材で肉付けした。

強いのは盾(石垣)か矛(鉄砲)か。作中のテーマは、現代の世界情勢にも重なる。「戦争の歴史は、戦争を終わらせてきた歴史でもある。どうすれば、戦は止められるのか。地続きである過去と現在を、切り離す必要はないでしょう」。

父が運営するダンススクールで、平成27年2月までインストラクターを務めた。ただアキレス腱(けん)断裂などもあり将来を考えるように。子供の頃に池波正太郎の「真田太平記」を母に買ってもらって以降、歴史小説を読破してきた愛好家は書く側に回る決心をした。

29年3月のデビュー後は連載依頼が殺到。毎日のように原稿用紙100枚以上を書くことが求められるなか、昨年11月、大阪府内の経営難の書店を買い取り、社長として月に1、2度、店をのぞく。改装効果もあり、売り上げはまずまずという。「町の本屋は文化のインフラ。なくしたらアカンでしょう」。軽やかなフットワークと経営手腕でも出版界をにぎわしていく。(伊藤洋一)

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