わずか2年間で12機が月面着陸 人類はかつてない「月開拓時代」へ突入

▼ispace「HAKUTO-R」

また、日本の宇宙開発ベンチャー、ispace社は、なんと独自プログラム「HAKUTO-R」によって月面探査を行う。同社が開発したランダーは全高2.27m、乾燥質量340㎏、30㎏程度のペイロードが搭載できるよう設計されている。打ち上げロケットはスペースX社のファルコン9が予定されているが、これに成功すれば日本初の民間月面着陸機となる。

日本のispace社の月着陸機「HAKUTO-R」(ispace)
日本のispace社の月着陸機「HAKUTO-R」(ispace)

同社は2022年から2024年にかけ、年に1機ずつ月着陸機を打ち上げる。月面探査ローバーも開発しており、2023年のミッション2で月面に送り込まれる予定だ。

▼JAXA「SLIM」

2022年度中には、JAXAによる月着陸実証機「SLIM」も打ち上げられる予定。これは月面着陸に必要な技術を実証するための機体であり、月面に接地すると機体が横倒しになり、それによって機体姿勢を安定させるというユニークな機構を持つ着陸機だ。

SLIMを打ち上げるのは日本のH-IIAロケットである。つまりこのプロジェクトに成功すれば日本は、ロシア、米国、中国に続いて、探査機を月面着陸させることに独自に成功させた4番目の国になる可能性がある。

着々と前進する中国の月開発と月面基地

NASAが主導するアルテミス計画を軸に、月探査は2022年から大きく前進する。米国、日本、欧州だけでなく、今年7月にはロシアの「ルナ25号」、同年後半にはインドの「チャンドラヤーン3号」も月面に着陸する予定だ。インドは2019年に「チャンドラヤーン2号」を打ち上げたが月面着陸には失敗。3号はそのリベンジ・ミッションとなる。

これに先立って近年、月開発を大きく進めているのが中国だ。2018年に打ち上げられた月探査機「嫦娥(じょうが)4号」は、月周回軌道上からランダーとローバーを投下し、史上はじめて月の裏側に着陸させることに成功。いまこの瞬間も貴重なデータを地球に向け送り続けている。

続く「嫦娥5号」は2020年12月1日に月面に着陸し、12月16日には月面サンプルを載せたカプセルを、地球に帰還させることに成功。今年1月11日にはその試料から、「月面に水が存在する証拠が史上はじめて直接確認された」と報道されたばかりだ。中国は2024年、「嫦娥6号」によって再度、月からのサンプルリターンに臨むと見られている。

中国とロシアは2021年3月、「月面研究基地(ILRS)」の建設で協力する覚書に調印しており、2030年までに着工予定だ。それと並行して、米国、欧州、日本はアルテミス計画に邁進することになる。

1990年代以降、西欧諸国とロシアはISS運用において協調路線を歩んできたが、2022年を迎えたいま、世界は新たな国際バランスのなか、月の「探査」「開拓」、そして「入植」へと進んでいくことになる。


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