我流~社会部発

北新地放火 遺族のため真相に迫る捜査を

産経ニュース
火災現場前で手を合わせる女性=17日午前9時、大阪市北区(前川純一郎撮影)
火災現場前で手を合わせる女性=17日午前9時、大阪市北区(前川純一郎撮影)

《死ぬときくらい注目されたい》。これは第三者を巻き添えに死ぬ「拡大自殺」が疑われる事件を取り上げた記事の見出しの一部だ。と同時に、大阪・北新地のクリニック放火殺人事件で死亡した谷本盛雄容疑者(61)が、現場に残したスマートフォンに検索履歴として残っていた。

25人もの犠牲者を出す凄惨(せいさん)な事件でありながら、容疑者が動機を語らぬまま死亡した。発生から17日で1カ月となったが、スマホに動機めいた記述があったとか、遺書が見つかったような話は聞こえてこない。

その中で「これまで目立たない人生だったが、死に際に大それた罪を犯し、有名になりたい」という意味を示す検索履歴の言葉は、単に記事を検索した可能性があるものの、容疑者の内心の一端を示しているのではと考えてしまう。

小中学生時代は物静かで、影の薄いタイプだったという容疑者。同級生からは「同窓会には一度も来たことがない。孤独を深めてしまったのか」という声もあった。実家の板金工場で職人の道を歩んでいたが、途中で実家を飛び出たことで親族とも疎遠になった。家族とも離婚、さらに長男を刺して服役したことで、関係が断絶された。孤独を深める中で生きる意味を見失ってしまった部分もあったに違いない。

容疑者のスマホには、36人が死亡した京都アニメーション放火事件や、118人の死者を出した大阪・千日デパート火災、192人が死亡した韓国の地下鉄放火事件などを検索した形跡があった。さらに《日本史上最悪の凶悪事件はどんな事件がありますか》とも検索していた。

世の中が恐怖におびえるほど大きな事件を起こし、一人でも多くの人を巻き込もうと、日々研究を重ねていたことが想像される。ただ、なぜそれほどゆがんだ思考に陥ってしまったのか、明確な理由は見えない。容疑者の検索履歴に対し「自分の不遇な状況を過去の事件の犯人に照らし合わせたのでは」という専門家の見方も一部で報じられたが、千日デパート火災は失火が原因だ。素直に首肯できる見解をまだ目にしていない。

容疑者が死亡し、動機が本人から語られないことに誰よりも納得できないのは、多くの被害者遺族だ。恨みを抱かれる理由もないのに、なぜ命を奪われなければならなかったのかを知りたいはず。もはや容疑者から供述を得ることはかなわず、大阪府警はさらに周辺捜査で状況証拠を積み重ねて解明するしかない。

被害者が死亡するなどした事件の捜査では、検察が刑事処分の結果や理由などを被害者や遺族に説明する「被害者等通知制度」が導入されている。容疑者死亡で不起訴になった場合も対象となる。府警は年度内にも検察側に捜査結果を送る見通しだが、制度に基づく説明を望む遺族も多いだろう。一歩でも真相に迫る捜査を成し遂げることが、遺族の抱える理不尽な思いを和らげることにつながるはずだ。(社会部次長 宮本尚明)

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