林芳正外相は13日、日本記者クラブで会見を行った。岸田文雄首相は就任から3カ月以上過ぎたが、同盟国・米国のジョー・バイデン大統領との対面による首脳会談ができない事態が続いている。新型コロナウイルスの感染拡大とともに、バイデン政権が岸田政権の外交姿勢に不信感を持っていると指摘される。政界屈指の「親中派」として知られる林氏の発言が注目された。
林氏は冒頭の講演で、岸田政権の外交・安全保障姿勢として、「3つの覚悟」(①民主主義を守り抜く覚悟②わが国の平和と安定を守り抜く覚悟③人類に貢献し国際社会を主導する覚悟)を披露し、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性と、「日米同盟の強化」を訴えた。
日米首脳会談については、「なるべく早く実現したい」と述べ、調整を急ぐ考えを示した。
中国については、「軍事力の拡大が透明性を欠いている」「わが国周辺での軍事活動の活発化には強い懸念を持っている」「主張すべきは主張して責任ある行動を強く求める」などと語った。
「岸田政権=米中二股外交」というイメージを払拭したい印象がにじんだ。
質疑応答では、日中国交正常化50周年にあたり、林氏の訪中や、習近平国家主席の「国賓」来日の可能性を問われた。
林氏は「私の訪中は何も決まっていない」「日中関係は地域の平和と安定にとって重要」「対話をしっかりと重ねる」「建設的で安定的な関係を目指す」「米国ともすり合わせていく」などと語った。
これで、米国の信頼を取り戻せるのか?