レクサスのSUV「LX」に新型 強さと優雅さを併せ持つ独自の高級路線を開拓

SankeiBiz

レクサス最高級モデルの座に

実際にドライブした印象ではラダーフレームの無骨さは薄れている。その優雅な乗り心地は悪路でも例外ではない。急な階段を登り下りしても、あるいは左右にコブがあるモーグルセクションでも乗り心地が優しい。驚きである。

路面状況に応じた駆動力を瞬時に4輪に最適に配分する「マルチテレインセレクト」のイメージ(レクサス提供)
路面状況に応じた駆動力を瞬時に4輪に最適に配分する「マルチテレインセレクト」のイメージ(レクサス提供)

LXのグローバル販売は、中東が5割、ロシアと北米がそれぞれ2割という比率である。つまり、砂漠でもスタックすることなく故障の危険性もないことが中東で支持されるわけだから、悪路踏破性を無視するはずもない。それでいて、オイルマネーに潤う富裕層がターゲットである。ラダーフレームに代表されるタフな走りと、優しい乗り心地と、キャプテンシートが富裕層の琴線に響くに違いない。

パワーユニットはV型6気筒3.5リッターツインターボ。先代がV型8気筒5.7リッターであり、フラッグシップらしい動力性能を得ていた。時代の要請によるダウンサイジングだが、ターボチャージャーを二基掛けにすることで、むしろパワーは増強されている。ちなみに、ランドクルーザーにラインナップしているディーゼル仕様は、日本に投入されない。

ランドクルーザーに採用された電気と油圧2系統のステアリングシステムや、電子制御可変スタビライザーはLXに組み込まれない。だが、特別なガスタンクを備えた電子制御ショックアブソーバや、前後車高調整機能などを備える。22インチのタイヤはランドクルーザーより大径であり、レクサスLSを含めても最大である。

レクサス最大のフラッグシップSUV、新型LX(レクサス提供)

もはやレクサスLXはランドクルーザーの豪華版などではなく、独自の高級SUVの世界を開拓しようとしているように思えた。レクサス最強のフラッグシップLSのお株を奪うかのような存在感である。セダン離れが加速し、SUVが台頭している時代を思えば、レクサス最高級モデルの座がLXだと認めてもいいのかもしれない。

ちなみにLXエグゼクティブの価格は1800万円。LSのそれを凌いでいる。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。

今、あなたにオススメ

izaスペシャル

  1. 【侍日記】20歳の高橋宏斗、先輩たちの匂いに驚き/WBC

  2. 1年間に売れた韓国車は1台!?日本車シェアほぼ100% 知られざる親日国パキスタンの素顔

  3. NHK朝ドラ「舞いあがれ!」3月29日OA第124話あらすじ 緊急事態宣言発令でうめづ休業、舞(福原遥)や刈谷(高杉真宙)も対応を迫られ…

  4. 【侍日記】ヌートバー、斎藤佑樹氏と再会し熱い抱擁

  5. 侍ジャパン帰国会見 村上宗隆「大谷さんがユニホームが汚れながらマウンドに行く姿、夢のよう」

今、あなたにオススメ

twitterプレゼントキャンペーン

twitterプレゼントキャンペーン