新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株がコロナ禍に終止符を打つのか。強い感染力で世界中に急拡大しているが、南アフリカでは、入院期間や重症化率の低さからパンデミック(世界的大流行)が収束する可能性を示唆する報告も出た。米国などで1カ月程度で頭打ちになったとの分析もある。専門家は、国内も、夏にも収束する可能性を指摘する。
◇
南アのスティーヴ・ビコ学術病院の研究者らが国際感染症学会誌に報告した研究では、昨年11月中旬以降に入院した466人の感染者と、それ以前に入院した3976人の患者を比較したところ、以前には21・3%だった死亡率がオミクロン急増時には4・5%だったとした。入院期間もオミクロン株感染者は平均4日後に退院したが、他の変異株感染者は8・8日を要したことから半減したという。
このパターンが世界的にも繰り返されれば、現状のパンデミックから「『エンデミック(特定地域で繰り返し発生する感染状況)』の時期に入る前兆になるかもしれない」と指摘している。