米露「戦略的安定対話」平行線 ウクライナ情勢受け開催

産経ニュース
10日、戦略的安定対話に参加するシャーマン米国務副長官(左)とロシアのリャプコフ外務次官=ジュネーブ(ロイター)
10日、戦略的安定対話に参加するシャーマン米国務副長官(左)とロシアのリャプコフ外務次官=ジュネーブ(ロイター)

【ワシントン=大内清、モスクワ=小野田雄一】ウクライナ情勢の緊張激化を受けた米国とロシアによる相互安全保障に関する戦略的安定対話が10日、スイス・ジュネーブで行われ、米国は2019年に失効した中距離核戦力(INF)全廃条約に沿った形で米露双方がミサイル配備を制限することなどを提案した。米国は、ロシアが求めるウクライナなど旧ソ連構成国の将来的な北大西洋条約機構(NATO)加盟の排除については応じない構え。これについてロシアは「一切の進展がなかった」(リャプコフ外務次官)といら立ちをあらわにした。

米代表団を率いるシャーマン国務副長官は協議後の電話記者会見で、ミサイル配備問題のほか、ロシアが同様の行動を取るとの条件で、軍事演習の規模・範囲の制限や透明性向上を協議する用意があると伝えたと明らかにした。また、ロシアがNATOの東方不拡大などの確約を求めていることについては「(NATO加盟を求める)他国のことを米国が決定することはない」との原則に変わりはないと強調した。

ロシアは、ウクライナ国境付近に10万人規模の兵力を展開させているのは訓練の一部だと主張し、ウクライナ侵攻の意図を否定している。これに対しシャーマン氏は「部隊配備を解除しそれを証明するべきだ」と緊張緩和に向けた具体的な措置を要求した。

一方、リャプコフ氏は協議後の会見で、12日に予定されるNATOとの協議と、13日の欧州安全保障協力機構(OSCE)の枠組みでの協議の結果を判断した上で、早期の協議打ち切りか継続かを決定するとの方針を表明し、外交対話を模索するバイデン米政権を牽制した。

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