巨人の育成選手を含む新人全17選手が7日、川崎市のジャイアンツ寮に入寮した。最速157キロ右腕のドラフト1位・大勢(たいせい)投手(22)=関西国際大、本名・翁田大勢=は、登録名の「大勢」にちなんだ言葉が書かれた木の板を持参した。
「文章を目にしたときに奮い立たされるというか、もう一回、頑張ろうという気持ちになる。初心を思い出したいと思って持ってきました」
岡本和のリストバンドなどの刺繍(ししゅう)も手がける書家の「もーちゃん」こと久保元延さんが手掛けたもの。「今やるべきことをひたむきにやっていけば、その名の通り大勢の人の心を動かしていける」などと記してある。中学時代から恩師からのメッセージを見て奮い立ってきた右腕は、プロでも言葉でモチベーションを高める。
寮内の廊下に飾ってある胴上げ写真が目に留まった。「自分もこの輪に入れる選手になりたい」。学生時代はけがなども重なり、胴上げの瞬間に立ち会えなかったといい「優勝の輪に自分も入れるような、そういう一年にしたい」。アマチュア時代の〝忘れ物〟をプロの舞台で取り返す。
14日からは新人合同自主トレがスタート。開幕ローテーション入りを期待される即戦力右腕は、「気合が入りすぎて飛ばしすぎないように。力まずやれたら」と足元を見つめ直した。(樋口航)