コロナ後遺症、回復数カ月後に突然脱毛も…「焦らず治療を」

産経ニュース

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」による「第6波」が懸念されるなか、現在も昨年の「第5波」での感染後遺症に苦しむ人がいる。中でも脱毛は、病気から回復して数カ月後に突然、症状が現れることが多い。専門機関への相談件数も増えているといい、専門医は「体調が戻り、社会復帰した後に急に抜けてくるとショックが大きいが、後遺症の脱毛は治る」と話している。

東京都の40代のパート女性は第5波の真っただ中にあった昨年8月下旬から9月上旬に新型コロナに感染した。同居する大学生の長男からの家庭内感染だった。症状は軽く、数日で発熱やのどの痛みは治まったが、異変は11月ごろから表れ始めた。「髪を洗ったり、ブラシで髪をとかしたりすると、ごっそり抜けるようになった。風呂の後に排水口をみるとぞっとした。これが後遺症かと思った」(女性)。

年が明け、少しは症状が改善されつつあるというが、いつまで続くか分からない後遺症に不安は尽きない。女性は「抜け毛がこの後も続き目立つようならパートも辞めたいと思う」と話し、心理面にも後遺症の影響を与えている。

女性の発毛治療を行う「クレアージュ東京エイジングケアクリニック」(東京都千代田区)の浜中聡子院長は「一般的に大病や手術の後は、体に負荷がかかり、髪の毛が抜けることがある。また、回復時も体のほかの部位が優先され、髪の毛が生えるのは遅くなる」と説明。同様のことが、新型コロナ感染後の体にも起きている可能性があるという。

浜中院長によると、発症から数カ月後、急に大量に抜け始め、頭の全体で抜ける傾向がある。新型コロナから回復し、社会復帰したタイミングで症状が表れたことにショックを受け、在宅勤務を希望したり、外出時は帽子を着用したりする女性も多いという。同クリニックには、このような症状の相談が継続的に寄せられ、昨年11月の相談件数は9月の約10倍だった。

浜中院長は「治療には全身状態の改善が欠かせない。タンパク質を中心とした食事や睡眠をしっかりととることが基本」と強調。その上で、同クリニックでは栄養剤を処方したり、点滴を打ったりして栄養状態をよくする治療を中心に行うという。

体が回復し始めてから3、4カ月で短い毛が生え始め、半年ほどで自然な長さやボリュームが出てくるケースが多いといい、浜中院長は「永遠に治らないということはない。また、再感染しない限り再び大幅に抜けることもないので、ストレスを抱えず、焦らずに治してほしい」と話した。

オミクロン株への感染では重症化する割合は低いとの見方もあるが、現状では特性が不明な点が多く、後遺症に苦しむ女性は「症状が軽いからといって安心してはいけない。十分に注意をしたほうがよい」と訴えている。(小林佳恵)

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