パナソニックの楠見雄規(くすみゆうき)社長は6日、オンラインで投資家向けの説明会を開き、年間約1・1億トンに上る自社製品使用などでの二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向け、照明の消費電力を最大約30%、空調・換気の消費エネルギーを約40%削減することを目指すと明らかにした。
パナソニックは、2030年までに事業活動に伴うCO2排出量実質ゼロ、50年までに自社バリューチェーン(価値連鎖)全体のCO2排出規模を上回る削減貢献の達成を掲げている。
同社によると、令和2年度のバリューチェーン全体のCO2排出量は約1・1億トンで、世界の電力消費による排出量の約1%に相当する。このうち、製品の使用で8593万トンが排出され、照明と空調・換気機器が80%を占めるという。
そこで同社は、快適性を損なわずに照明の消費電力を最大で約30%削減するほか、空調・換気機器についても技術革新などで40%の省エネを目指す。IH調理機器や病院、工場での廃熱利用システムの普及、電気自動車(EV)向け新型車載電池の開発などでもCO2削減に貢献する。
また、今春には滋賀県の拠点で、純水素型燃料電池と太陽電池を組み合わせた自家発電によって消費エネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う実証実験を開始する予定。
楠見社長は「グループの全事業で最優先に取り組むべきは地球環境問題」と強調し、「パナソニック伝統の経営に立ち戻り、サステナブルな社会を実現していく」と述べた。