私の人件費もポストも後輩にお譲りする代わりに、フリーになって文字通り自由に好きなことを好きなようにやらせてもらうのを私は選びました。まあ今だって十分「老害」かもしれませんが、ご指名でいただいたお仕事を細々やる分には、さほどご迷惑にはならないのでは、と勝手に思っています。
「もうこいつの作るものは古臭くてダメだ」と思われればきっとご指名は来ないでしょうからね。そしたら自然と引退です。
おこがましいですが、なんとなくこういうスタンスの同年代がもっと増えてくれたらいいのにな、と思います。華々しい第一線は若い世代に譲って、オッサンはマイペースで好きなことをちんまりやり続ける。そのほうがテレビ業界も新しくなりますよね。
ということで、ご同輩たちに「こういう生き方もいいな」と思ってもらえるように、今年1年ゆるーく現場で頑張るぞ! と思っておりますので、皆さま本年も温かい目で見守ってくださいませ。お仕事のご依頼も大歓迎です。
■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。1992年テレビ朝日入社。スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版)。