帰宅難民「救いの足」シェアサイクル 大震災では課題も

産経ニュース
地震後の帰宅交通手段として注目されるシェアサイクル=東京都千代田区大手町
地震後の帰宅交通手段として注目されるシェアサイクル=東京都千代田区大手町

地震発生後の交通手段として、街に配置する自転車を貸し出す「シェアサイクル」が注目を集めている。昨年10月に首都圏で最大震度5強を観測した地震では多くの帰宅困難者が活用し、都心で借りられる自転車がほとんどなくなった。一方で、地震直後の道路には危険が多く「被害が大きい場合は推奨できない」との指摘も。南海トラフや首都直下といった大震災への備えが今年も急務となる中、利用には注意が必要だ。(桑波田仰太)

「シェアサイクルで帰宅難民回避」「シェアサイクルで(自宅に)生還」

昨年10月7日午後10時41分、埼玉県と東京都で最大震度5強を観測する地震が発生した直後、SNS(会員制交流サイト)では、こんな書き込みが相次いだ。

地震の影響で鉄道など公共交通機関の多くがストップし、都心では帰宅困難者が続出。そんな状況で、一部の被災者がシェアサイクルの利便性を発信したのだ。発生から約1時間後には、利用できる自転車の残台数を地図上に示した画像も投稿されたが、すでに多くでゼロの表示が目立っていた。

65%の利用増

全国でシェアサイクルを展開する「ドコモ・バイクシェア」では、スマートフォンなどで会員登録と予約を済ませれば、その日からポート(出庫・返却場所)に置かれた自転車を利用でき、使用時間に応じて料金を支払う。

同社によると、10月7日の地震発生から翌8日午前5時までの間、東京エリアでの利用が前日比で65%増加。特に企業が多く立ち並ぶ千代田区や中央区、港区で利用が急増し、この3区のポートでは、地震から1時間ほどで、貸し出せる自転車がほとんど残っていない状態になったという。

同社のシェアサイクルは、借りた場所とは別のポートに自転車を返却することが可能。自宅近くのポートに返却でき、シェアカーなどと比較して気軽に借りることができる点も追い風となった。経営企画担当課の大橋純子課長は「シェアサイクルの利便性を知ってもらう大きな機会となった」と話す。

状況見極めて

一方、地震時には道路の陥没や浸水が予測されるため、社内では利用者の安全についての懸念が指摘されているという。昨年10月の地震で、利用者が事故に遭ったという報告はなかったが、大橋課長も「道路の状況などによっては危険をはらむことも事実。今後、利用者に対し、災害時の注意点の周知を検討しないといけない」と話す。

内閣府が示す震度6強以上での帰宅行動マニュアルでは、地震発生後は安全な場所に留まることや、帰宅する場合であっても徒歩を原則としている。

内閣府の担当者は「震度が大きくなく被害状況も把握できた場合、シェアサイクルで帰宅することに問題はない」とした上で、「大きな被害が予測される震度6強以上の大地震では全く別。そもそも地震直後の帰宅を推奨しておらず、それはシェアサイクルでも同じ。災害の状況をしっかり見極めた上で活用すべきだ」と話した。

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