話の肖像画

真矢ミキ(1)迷い迷って23年…新たな私の男役

産経ニュース
(三尾郁恵撮影)
(三尾郁恵撮影)

《令和3(2021)年秋、23年ぶりに「男役」に戻った。古巣の宝塚歌劇団花組、月組の創立100周年を祝う舞台「Greatest Moment」に出演。歴代トップスターや現役タカラジェンヌも勢ぞろいする豪華な舞台の中で、真矢さんの進化した男役の姿、美しい身のこなしはひときわ、目を引いた》

舞台上のトークでは、「(男役の)形状記憶が蘇(よみがえ)った」と申し上げましたが(笑)、実はそれは半分ぐらいですね。残りは退団後の23年間、私が積み重ねた経験を生かし、新たな今の、私の男役を作った気がします。

私は宝塚時代、成績も悪く、劣等生からのスタートでした。退団後も、宝塚での武器がむしろマイナスに働き、自分の得意なことすら分からなくなってしまった時期もあった。迷いに迷ってだんだん自分の納得いく答えが見つけられるようになったんです。失敗だらけの23年間は、決してブランクではなく、とっても役に立った日々だったんです。その経験を生かした今の〝男役〟を皆さんに喜んでいただけたのなら、とてもうれしいですね。

《男役になりきるため、本番直前にショートカットに。この日のため、コシノジュンコさんデザインの衣装もあつらえた》

映像のお仕事に影響が出ないタイミングで髪を切りました。それは大きな決断でしたが、全く違和感ないですね。私は本当に不器用な人間で、マニキュアをちょっとでも付けたら、男役ができないんです。例えば髪を直すしぐさで、一瞬でも自分の爪が光るのが目に入ったら、「女性」という認識になってしまう。ですから髪が短い方が気持ちを切り替えられ、その世界に入りやすいと思ったので、〝断髪〟に迷いはなかったです。

実は23年前の退団時、髪は長めでしたが、あれは男の長髪が格好よかった時代の流行に乗ったので、女性に戻ろうとして伸ばしたわけではないんですよ。

《初風諄(はつかぜ・じゅん)さん、榛名由梨さん、安奈淳さん、高汐巴(たかしお・ともえ)さん…。仰ぎ見てきた先輩スターや、頼もしく活躍する後輩と同じ舞台に立ち、客席の熱気に接し、15歳から過ごした宝塚への感謝が湧き起こったという》

ここまで、目の前に広がる世界があるとは思わなかったです。応援してくださったファンの皆さまと、100周年をつないでくださった先人たちへの感謝があって今回、先輩後輩たちとご一緒したのですが、改めて宝塚は出演者、作り手、ファンの3点でしっかりつながってる、と実感しました。今回の舞台は、一瞬の輝きをともに愛(め)でる花火大会のようでしたが、心に残る夢になったと思います。

《令和3年は大きな節目になる仕事が続いた。2020東京五輪の開会式に、棟梁(とうりょう)役で出演したのもその一つ》

(開会式への出演は)今年に入って、本当にギリギリのタイミングでお話をいただき正直、悩みました。コロナ禍の真っ最中、聖火ランナーを辞退される方も続いた時期です。「五輪、やるの?」という空気の中で、私にできることは何か。やっぱり宝塚での経験が生きたんです。大舞台に立ち続けてきたので、国立競技場のだだっ広い空間に対する恐怖感がない、っていう恐ろしい体質が生きました(笑)。(聞き手 飯塚友子)

【プロフィル】真矢ミキ

まや・みき 昭和39年、大阪府豊中市出身。56年、「宝塚春の踊り」で初舞台を踏み、平成7年、「エデンの東」で花組トップスターに就任。華のある個性的な男役として絶大な人気を誇り、「Ryoma~硬派・坂本竜馬!Ⅱ~」などに主演。タカラジェンヌ初の武道館ソロコンサートを成功させるなど、前例のない活動で「革命児」と呼ばれる。10年に退団後は、女優として活躍。ドラマ「さくらの親子丼」などに主演。現在はNHKBSドラマ「生きて、ふたたび 保護司・深谷善輔」に出演中。

(2)に続く

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