ビル放火容疑者死亡 「怒りをぶつける先なくなった」 クリニック患者ら落胆

産経ニュース
現場のビルには連日花束が手向けられている=30日午後4時17分、大阪市北区(沢野貴信撮影)
現場のビルには連日花束が手向けられている=30日午後4時17分、大阪市北区(沢野貴信撮影)

大阪市北区曽根崎新地のビル4階のクリニックで25人が死亡した放火殺人事件で、現住建造物等放火と殺人の疑いが持たれていた谷本盛雄容疑者(61)が30日午後、入院先の病院で死亡した。大阪府警が明らかにした。「怒りをぶつける先がなくなった」。現場クリニックの患者からは落胆の声が漏れた。

「ニュースを見て頭が真っ白になった」

2年前に現場のクリニックに通院していた大阪市内の男性(41)は30日夜、容疑者死亡の一報を知り呆然(ぼうぜん)とした。それまでは容疑者が何とか回復し、罪を償わせることができると信じていた。「法廷で裁かれ、事件の全容を語らせてこそ、被害者や遺族の方々も報われる部分があったはずだ。こんな形になり、怒りをぶつける先がなくなった」と打ちひしがれた。

クリニックに通院中の大阪市浪速区の無職女性(58)は「こういう形で真相が分からなくなったのは残念で、犠牲になった人や遺族もかわいそう」と憤った。通院中の大阪府枚方市の自営業男性(55)は「この事件に対して何かを語ってもらえれば、同様の事件の未然防止にもつながったはず」と悔やんだ。

一方で、容疑者の死亡を聞き、複雑な気持ちになったと明かす人も。通院中の大阪市福島区の会社役員の男性(51)は「(クリニックの)西澤弘太郎院長やほかの患者たちを死なせておいて、谷本容疑者だけ生きていたのはおかしいと思っていた」としつつも、「事件が起きた理由が語られる機会がなくなったことは残念」と心境を吐露。その上で「背景や原因を社会全体で検証し、二度と谷本容疑者のような人間が現れないようにしてほしい」と語った。

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